慶応大学大学院政策メディア研究科SCM(Sports Community Management)チームは、15、16の2日間、三條機械スタジアム=三条市月岡=で行われたウエスタン・リーグ公式戦阪神中日2連戦を事例とした同スタジアムの野球を通した貢献活動を調査した。
全国で数多く行われるスポーツを活用した地域経営の実践が、地域力の向上や地域の活性化、地域振興の実効性向上などに大きな意味合いをもつ時代になっている。SCMチームでは、ケーススタディやケースの比較分析を通じて具体的知見を導き出し、汎用的な知見、理論の導出を目指している。
これまでファシリティ・マネジメントやスポーツを通じたまちづくりについて実践研究、スポーツ組織マネジメントや地方自治体のスポーツ政策について調査研究を行っている。
そのなかでことし4月から三條機械スタジアムと同スタジアム関係者である指定管理者、自治体、利用者、近隣住民などを調査研究している。
同スタジアムは2008年から株式会社丸富=柴山昌彦代表・三条市若宮新田=が指定管理者となっている。市民からトップレベルのスポーツにふれてもらおうと、翌09年から毎年、プロ野球ファーム戦を開催。指定管理者でありならが、雨天中心のリスクもあるファーム戦を自主的に招致、開催しているのは全国にも珍しいということから調査対象にした。
SCMチームにはアドバイザー3人、メンバー4人が参加。メンバーのひとり、大学院修士課程2年斉藤和真さん(24)は、ファーム戦に向けた丸富の取り組みを中に入り込んで見てみたいと、開催日の1週間前から開催日まで同社のインターンシップで働き、開催日は来場者を対象にアンケートやインタビューを行った。
東京工科大学メディア学部助教で慶応大学総合政策学部非常勤講師の松橋崇史さん、嘉悦大学ビジネス創造学部専任講師で慶応大学政策・メディア研究科博士課程の岩月基洋さんもスタジアムを訪れて調査した。
斉藤さんは「丸富さんはこれだけのこれだけのイベントを手作りで、自分たちで誘致しているがすごい」と言う。先に行った地元自治会長へのインタビューで「自治会とおもしろいことができるんじゃないか、自治体が何をどう求めているか、マーケティング調査がしたい」と話していた。
夏休みには学生が地元に入ってフィールドワークを行い、スタジアムを核にどんなことが可能かを研究し、今年度内には三条市に対して政策提言を行う考えだ。