燕市は市内小中学生の英語教育を推進をと5月にスタートした英語教室「Jack & Betty教室」の一環で15日、燕市文化会館で第1回Specialを開き、教室の子どもたちから燕商工会議所会頭でもある山崎金属工業株式会社=燕市大曲=社長の山崎悦次さん(73)による講演を聴いてもらった。
教室は小学生131人、中学生49人の180人が参加して5月から12月までに21回開講。開講日にあわせて月1回、“Special”と呼ぶ講演会を行い、燕市内で働き、燕市の特色や将来を語ってもらう。その第1回として山崎さんを講師に迎えた。
教室の小中学生のほか、その保護者の聴講も多く、合わせて200人近くが参加。山崎金属工業は海外輸出も行う洋食器メーカーで、ノーベル賞受賞記念晩餐会公式カトラリーメーカーとなったことでも知られる。
山崎さんは昭和30年代から40年代にかけての燕市、外国人との当時のビジネス、当時の小中学校、外国人とのビジネスをするために英語をどのように勉強したかなどについて、プロジェクターを使って話した。
最後に山崎さんは子どもたちに「将来、皆さんから必ず燕を引っ張ってってもらいたい。そのためにきょう、わたしは話している」、「いずれにしろ、日本はすばらしい国ですから自信をもって頑張ってください」とエール。また、翌16日は「父の日」なので、「お父さんにお金を使うよりメールを送るとか、手紙を送るとかしてください」と親心ものぞかせていた。
燕市が英語教育を推進する「Jack & Bettyプロジェクト」のネーミングは、燕市を舞台にしたドラマスペシャル「ジャック・アンド・ベティ物語」(1992年放送)にちなむ。燕市の洋食器産業が発展、米国へ輸出していく時代に若者が英語を勉強しながら世界へ羽ばたいていくという物語だ。
山崎さんは若いころ、海外を一人旅して英語を駆使して米国、スペイン、フランスなどの企業と取り引きを進めた。高校時代に家庭教師について英語を学んだ基礎はあるが、もちろんその英語力だけでは足りず、あとはぶっつけ本番の実践で学び、通訳を介さずとも企業との交渉をまとめるだけの英語力を身につけた。まさに「ジャック・アンド・ベティ物語」を地で行く燕の業界人だ。
「相手は人間ですよ。何かやりゃ通じますよ」と山崎さん。子ども相手の講演はふだんとはまったく異なり、「商売の話の方が好きで、資料づくりを含めていい勉強になりました」と話していた。