22、23の2日間、新潟市南区の旧月潟村で開かれた月潟まつりにあわせて、旧新潟交通電車線を走っていた車両、通称「かぼちゃ電車」と旧月潟駅で旧新潟交通電車線を走っていた車両、通称「かぼちゃ電車」を保存する「かぼちゃ電車保存会」(丸山裕会長)もこの2日間、電車と駅舎の開放、トロッコ体験などを行った。
同保存会は、閉鎖している冬場以外はできるだけ電車と駅舎を開放するようにしているが、初夏の月潟まつりと秋の大道芸フェスティバルでは、それ公開以外にもイベントを行って大勢の人でにぎわう。
今回も3両ある電車と駅舎の開放のほか、トロッコ体験、ビデオ上映、記念品の販売などを行った。
駅舎のホームの屋根の先には、紅白幕と紅白のちょうちんを下げて、月潟まつりと同様にお祭りムード。旧月潟駅前を含めて中ノ口川の土手下の大通りは車両通行止めになり、露店も並んだ。
2日目の23日は青空が広がって夏の陽気となり、月潟まつりの見物客が旧月潟駅へも足を運んだ。トロッコ体験は、保存するかぼちゃ電車が乗るレールの延長に1999年(平成11年)に全線廃線となった蒲原鉄道で実際に保線用に使われていたトロッコに乗る体験をしてもらった。
トロッコはリヤカーの荷台くらいしかない小さなもので、本来はなかった手すりなどを取り付けて改造。手押しで約50メートルの区間を往復するだけだが、子どもたちには人気で、進行方向に向かって座り、にこにこ顔だった。
かぼちゃ電車の車内では、七夕を前に来場者から短冊に自由に願いごとを書いてもらい、電車のつり革や編み棚に下げてもらった。裕に百を超す短冊が下がった。短冊は次の週末にササに下げて駅舎のホームのひさしの下に飾る。
旧新潟交通電車線は、開通からことしで80周年。すでに14年前の1999年にその役割を終えた駅舎の窓には、すだれが下がって風に揺れ、夏の日差しを透かした。駅舎の中にぼーっと座っていると電車に乗った経験のある人ならタイムスリップしたような感覚を味わうことができた。
この2日間でちゃんと受け付けを通った来場者だけで延べ629人を数えた。うち子どもが277人で、意外におとなが多い。トロッコ乗車は355人で、うち子どもは265人、トロッコは計98往復した。
また、月潟まつりでは、23日は新潟市無形民俗文化財指定の角兵衛獅子の舞やこども山車行列が行われた。