燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)で30日の夏越(なごし)の大はらえを前に27日、茅の輪(ちのわ)くぐりのための茅の輪が設置された。
夏越の大はらえを前に27日、戸隠神社に設置された茅の輪
茅の輪くぐりは夏越の大はらえで多くの神社で行われている。茅萱(チガヤ)で作った輪を左回り、右回り、左回りの順に「∞」を描くように3回、回ってけがれをはらう。
その茅の輪を作るのは、ことしも市内の76歳と70歳のボランティアの男性。この日は70歳の男性が午前5時から松長地内の堤防の茅萱を刈りに行き、軽トラックの荷台に満載して戸隠神社へ運び、8時からふたりで製作にとりかかった。
手順はいつも通り。まず直径2センチのビニールパイプで円を作り、その上にパイプが見えないように白布巻く。そこに茅萱を少しずつビニールひもでしばりつけたら、全体を針金でぐるぐる巻きにして形は完成。午後からそれを立てて鳥居に結びつけ、倒れないようにした。
2人とも70歳代だが、炎天下での作業に、おもしろいように汗が噴き出し、鼻の先から汗が垂れる。黙々と作業を茅の輪の直径は約2.5メートル。ふたりは、近郷の茅の輪ではいちばん大きいと言う。
茅の輪製作のポイントについて、「みんな同じ太さにならんと」。ことしの出来栄えに「上出来んねーかね」とにっこり。茅の輪が完成したあとも、参拝者に魔除けにしてもらう茅萱に切り紙を下げたものも配布するため、茅萱の下の草を落とす作業を続けていた。
大はらえは、6月と12月のみそかに行われる災いをよける行事で、12月が年越しのはらえなら、6月は夏越のはらえ。戸隠神社ではことしも29、30の2日間、いずれも午後8時から星野宮司を先頭に参拝者と茅の輪くぐりを行ったあと、大はらえ式を行う。
さらに30日はそれに先だって午後7時から拝殿前で「第3回地震災害復興祈願“絆”がんばろう日本」の演舞を行う。東日本大震災の発生に伴って毎年行っており、舞名は「天孫降臨舞」。燕飛燕太鼓保存会の演奏に始まり、小池神伶会と戸隠神社神伶会が7つの演目の舞や歌を披露する。