夏越(なごし)の大はらえだった6月30日、田上町羽生田、土生田(はにゅうだ)神社(高橋勝之宮司)では、昨年初めて行った茅の輪くぐりをことしも行い、ことしはみこしで近所の老健施設を訪問するなど、昨年より行事を充実させた。
夏越の大はらえは1年の半分が終わる6月のみそかに、半年間におかした罪やけがれを除く行事。土生田神社は創建から約1,300年と伝わり、歴史の古い延喜式内社。昔の神社を取り戻そうと高橋宮司の呼びかけで、地元有志で夏越会を発足し、昨年、初めて茅の輪を設置して奉納行事を行った。
ことしも境内の参道に直径約2メートルの茅の輪を設置。午後5時から大はらえ式と茅の輪くぐり、健康長寿祈願祭のあと、書の奉納式、みこし渡御、フルート独奏、護摩堂太鼓披露、タケ灯ろうで境内のライトアップなどを行った。
大はらえ式に続く茅の輪くぐりは、直径高橋宮司を先頭に100人近くが列をつくって「∞」を描くように3回くぐり、拝殿に上がって参拝した。
書の奉納式では、地元の書アーティスト、あおのよしこさんが拝殿の正面に立てた1畳分の大きな紙に「響」と書いた。さらにことしに行事の準備段階で知り合った、ことし10月15日で満100歳になる高井コフさん(99)=田上町川船河=のために「福」の字を書いた。高井さんの名前「コフ」と合わせて「幸福」という趣向。高井さんは境内でいすに座って「福」の字が書かれるパフォーマンスを見学し、喜んだ。長生きは「くよくよしないで何でも食べること」と話していた。
みこし渡御では、手作りのみこしを青いはっぴを着た夏越会の会員十数人で担いだ。昨年は境内で担ぐだけでへばっていたが、ことしは神社を出て100メートルほどの介護老人保健施設「晴和会田上園」へ出張し、玄関前でみこし担ぎを披露した。車いすに乗った入所者10人余りが集まり、みこし担ぎのリズムにあわせて手をたたいたり、笑ったり。夏越会会員も「いやー、ばーちゃんたち、あんげ喜ぶんだね」と予想以上の好評ぶりに大満足だった。