南相馬市と燕市が災害時相互援助に関する協定を締結、南相馬市と燕市に避難する市民との懇談も (2013.7.5)

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東日本大震災で大勢の市民が避難した福島県南相馬市と、今もその避難者を受け入れる燕市は5日、万が一の大規模災害に備えて災害時相互援助に関する協定を結んだ。

南相馬市と燕市の災害時相互援助に関する協定の調印式、左から燕市の斉藤議長、鈴木市長、南相馬市の桜井市長、横山議長
南相馬市と燕市の災害時相互援助に関する協定の調印式、左から燕市の斉藤議長、鈴木市長、南相馬市の桜井市長、横山議長

協定では、両自治体のいずれかが被災したら他方の自治体へ食料品、生活必需品などの物的援助や職員の派遣、避難住民の受け入れを行う。午後1時半から燕市役所で調印式を行い、南相馬市桜井勝延市長と横山元栄市議会議長、燕市から鈴木力市長と斉藤広吉市議会議長らが出席。桜井市長と鈴木市長が協定書に調印した。

鈴木市長は、いざというときにはふだんの交流が大切だが、両市は「市民をあげて十分に今も交流が続いている」とし、あらためて絆を生かし、「ふだんの交流をどんどん深めていくのが大切」と述べた。

桜井市長は東日本大震災の津波で市民636人が死亡、原子力発電所の爆発事故に伴う避難と原発災害などにより認定されただけで426人が死亡したことから話した。市民の新潟県への避難を決め、燕市長からも受け入れてもらった経緯を話し、今でも県外、市外へ避難している人が1万6,000人近くあり、6,400人を超す市民が市外へ転出。仮設住宅や借り上げ住宅で6,000人近くが避難を余儀なくされている。

あいさつする桜井市長
あいさつする桜井市長

今も20km圏内は避難指示で本当の意味で復興の緒に就くにはまだまだ時間がかかるが、協定調印を機に「われわれとしても全力をあげて復興に努めてまいりたいと思いますし、燕市の皆さんにも今までの恩返しができるような形で復興を進めてまいりたい」。

さらに「今後ともお互いのこの友情、絆を大切にして市民レベルで、行政レベルでの交流を進めてまいりたいと思いますし、二度と起きないことを願いつつ災害発生時にはしっかりとわれわれとしても応援できる体制を整えてまいりたい」と話した。

南相馬市では、これまでも全国各地との同様の協定を結んでおり、新潟県内でも小千谷市と結んでいる。今回の燕市のほか、愛知県知多市とも結ぶ予定で、できるだけわれわれの支援をしていただいた恩返しも含めてこのような関係を築いていきたい」とした。

今回の協定について桜井市長は、恩返しや今後も絆を深めたいと「わたしの方から積極的にお願いした」と話す一方、鈴木市長は今春、燕市に避難していて南相馬市に戻った人たちが南相馬燕会をつくったことが燕市にとってはひとつのきっかけになったとした。

桜井市長らと燕市に避難している市民が懇談
桜井市長らと燕市に避難している市民が懇談

この後、今も燕市で避難生活を送る南相馬市民4人と懇談した。市民は文科省のモニタリングポストの数値が低いのではないか、市役所へ電話したら除染作業は自分でやれと言われた、補償の認識の違い、農地の太陽光発電への転用などについて質問した。

東日本大震災からすでに2年3カ月がたったが、今なお燕市内に避難している市民と南相馬市との間で情報が正しく共有されておらず、認識の食い違いが多く残っていた。懇談後も市民は「あとで調べておくと言っても、それっきりのことが良くある」といまだに市に対する不信感が強かった。

一方、桜井市長は、東電だけでなく「国が明確にかじを切っていかないと、今回の多分、参院選で脱原発や原発ゼロがどっかに吹っ飛んでるんじゃないかという憤りをもっている」と態度を鮮明にした。

市民との懇談に桜井市長には時々、笑顔も
市民との懇談に桜井市長には時々、笑顔も

伝えられた話として、東電に対する国の貸付は最大限度額5兆円となっているようで、事故収束に3兆8,000億円を使い、あと1兆2,000億円しか余裕がないから柏崎刈羽も再稼働して1,000億円ずつ稼がなければいけないと聞くが、「現場では汚染水ひとつ処理できていない」と指摘した。

東電にいろいろ要望しているが「事実上、ゼロ回答」。翌6日、7日と東電の南相馬市民に対する説明会が開かれるが、「大混乱に近い状況になるんではないか」と、東電や国の対応に語気を荒くした。

桜井市長は前日4日に新潟県へ入り、南相馬市の小学生と商品開発して生まれた「バタしょっと」を販売した長岡市・岩塚製菓で特別講演を行った。5日は国定勇人三条市長を訪問したあと、燕市との調印式へ。その後、泉田裕彦知事を訪問して戻った。


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