「ミキプルーン」など三基商事の商品を扱う燕三条地域の販売員でつくる「スマイルミキ」は7日、燕三条地場産業振興センターリサーチコアで講演会を開き、食育ジャーナリスト砂田登志子さんを講師に「食は元気の素・いのちの素・幸せの素」のテーマで聴講してもらった。
食育について考えてもらう社会貢献活動として年2回ほど講演会を開いており、販売員や顧客など約160人が参加した。
講師の砂田さんは、ニューヨークタイムズ東京支局記者、ボストン・コンサルティング・グループ研究員を経て独立。欧米諸国の食育とウェルネス事情の取材、新聞や雑誌への寄稿、テレビやラジオの出演、全国での講演を主な仕事としている。NPO日本食育協会理事で、国の食や健康に関するさまざまな委員を務めている。
砂田さんは、トレードマークとも言える野菜や果物をキャラクターにしたアクセサリーをびっしりつけた服で登場。マイクを手に、席のすぐ前まで歩み出て歩きながら、来場者に訴えかけるようにエネルギッシュに話した。
日本が結婚しない国になったのか、幸せ度や満足度の低さ、がんが減らないこと、糖尿病が減らないことなど「多分、食育に解決のヒントがあるとわたしは信じています」、「日本の健康保険は実は病気保険なの」、「口に入れるのが食べ物、出すのが言葉」、「いい物を食べていい言葉を出す」と記憶に残る言葉を話した。
「漢字って本当に古代人の心のアニメーションなの。タイムカプセルなの」と、漢字の成り立ちにも学ぶ。「安」は「家」の下に「女」なのは、「女が命をリレーするから」、「好」は「女が赤ちゃんをおんぶ、抱っこしている姿」。「舌」は「千の口」と書き、「たくさんの物を食べる意味」。
砂田さんは「たのしい」、「ためになる」、「たよりになる」の「3た」を提唱。健康のために「資本金ゼロでもできるのが良くかむこと」と勧めた。
「食育と体育は車の両輪」で、欧米の食育が進んでいるのに対し、日本は体育に比べて食育があまりにもおろそかにされていることを嘆いた。その原因は女性の社会進出が遅れていることにあるとし、「日本のマスメディアは“オスメディア”」と皮肉り、食育の大切さを訴えた。
出席者のほとんどが女性で、砂田さんの講演の至る所で「うーん」と一斉にうなずく声が聞こえ、講演後は砂田さんと一緒に記念写真を撮るなどしていた。