新潟県三条・加茂地区断酒友の会は、14日午後1時から三条市総合福祉センターでアルコール関連市民公開セミナーの勉強会を開き、「アルコールに飲まれてたまるか!〜健康で安全な生活のために〜」をテーマにアルコール依存症治療歴30年の河渡病院=新潟市東区有楽1=・和泉貞次院長の講演を聴く。飲酒問題で悩んでいる人やその家族など関心のある人の来場を広く呼びかけている。
講師の和泉さんは、1937年佐渡市生まれ、新潟大学医学部卒業。同大学精神医学教室で精神医学を専攻。67年新潟大学大学院修了。新潟大学医学部文部教官、新潟県立精神医療センター精神科部長を経て昭和58年より医療法人恵松会河渡病院院長。専門は、精神医学全般、アルコール依存治療。現在の役職は、全日本断酒連盟顧問、日本アルコール関連問題学会理事、新潟大学医学部臨床教授など。
「アルコール関連 勉強会」は、和泉さんの講演を聴くなどして約2時間で終わる。参加無料で、事前の申し込みも必要ない。
同セミナーは2部構成で、「アルコール関連 勉強会」が2部。1部は午前10時から三条駅と三条市総合福祉センターで「飲酒運転撲滅キャンペーン」を行い、友の会会員がちらしなどを配布して飲酒運転撲滅を呼びかける。
断酒会は全国にあり、アルコール依存症で苦しんでいる人、苦しんだ人やその家族などが会員となり、それぞれの酒害体験を聞いたり、話したりすることで酒害からの回復や断酒の継続などを行っている。
県内では新潟県断酒連合会として各地区で14団体が活動している。今回主催の三条・加茂地区断酒会友の会は、これまで地区行事として5年ごとに主に会員を対象に研修大会を開いており、昨年は35周年大会を開いた。36年目のことしは、全日本断酒連盟の重点目標でもある飲酒運転撲滅、自殺予防などの観点からも、会員以外に広く参加者を募る公開セミナーというスタイルで初めて計画した。
同セミナー開催地区の三条地区断酒友の会(外山戦太郎会長・会員30)は、月1回の勉強会のほか、県内の他団体を訪問して交流を図り、互いに酒の誘惑に負けないよう気を引き締めている。
アルコール依存症は、健康被害はもちろん、働くことができなくなるなって経済的に厳しくなったり、暴れたりとさまざまな問題が起こるが、本人や家族がアルコール依存症という病気になっていることに気づかない人も多いという。既婚者なら、断酒は配偶者の支えが要になる。
市民公開セミナーは、市内外問わずだれでも参加できる。「みんなが困っているのなら、助け合いましょう」、「少しでも悩みのある人は、気楽な気持ちで来てください」と参加を呼びかけている。