国土交通省は三条市と連携して同市上須頃地内の旧三条競馬場跡地で、上須頃地区水辺整備事業として交流や防災の拠点となる「河川防災ステーション」の整備を進める。その一環として建設される水防センターなど「かわまちづくり拠点施設」の工事安全祈願祭と起工式が16日、現地で行われ、平成26年3月予定の無事完成を願った。
午前10時から川まちづくり拠点施設建設工事安全協議会主催で工事安全祈願祭を行い、続いて三条市主催で起工式を行った。
国定勇人市長が起工式であいさつ。9年前と2年前の三条市を襲った2つの水害を振り返り、ハード面は抜本的な河川改修が着実に進められてきたことに感謝したが、いくらハードが充実、強化をされても「自然というのはそれをいとも簡単に乗り越えてしまう、それだけ敬けんなものでもある。われわれは謙虚に受けとめつつも、万が一の事態が発生した時に、英知を結集して苦難を乗り越えていかなくてはいけない」とした。
建設する水防センターは、「日ごろからとくに子どもたちに水害の恐ろしさ、万が一水害にあった時、どうして自分の身を防いでいくのかと言うことを感じ取って学んでもらうための水防学習の拠点として位置づけていきたい」とし、安全祈願祭がこの施設の安全祈願だけでなく、「われわれのまちにとって安全な第一歩を記す、その礎となる記念すべき安全祈願祭になるように」と願った。
上須頃水辺整備事業は、国交省の「かわまちづくり支援制度」を活用し、平成16年の7.13水害を契機に計画された。信濃川と五十嵐川の合流点に位置する上須頃地区で、人々の交流拠点や施設整備及び防災拠点の整備、ソフト発信と一体となった水辺を整備する。
三条競馬場跡地の約6万平方メートルを「河川防災ステーション」として整備する。災害時には、信濃川下流の上流域での洪水被害を最小限に食い止めるための復旧活動の拠点とし、緊急復旧活動を行うために必要な土砂や根固めブロックなどの資材を備蓄するとともに、ヘリポートや災害対策車両の排水ポンプ車や照明車、水防センターを配置する。
そのうち、水防センターと緑地広場を三条市が建設する。水防センターは鉄骨造り2階建て約411平方メートル。1階はエントランスホールなどのほか、水防倉庫を設置。2階は展示ホール、会議室などで、水害の資料展示などを行い、平常時は子どもたちの水防学習にも活用する。緑地広場には、広さ2万3,255平方メートルの芝生広場と1万3,300平方メートルの駐車場を備える。
全体の総事業費は約12億6,000万円で、うち水防センターなど三条市の建設する事業費は約2億6,000万円。今年度末の平成26年3月に完成する。