三条市と災害時相互応援協定を結び、一昨年の7.29水害ではボランティアバスで駆け付けてくれた三重県・菰野町(こものちょう)の観光スポット御在所岳(ございしょだけ)に、カレーラーメンの発祥地として知られる三条市の名称とかけた「山上(サンジョウ)カレーラーメン」が誕生。カレーラーメンを通じた新たな交流も期待される。
菰野町は三重県の北西部に位置する町。「山上カレーラーメン」を提供するのは、その観光スポットの1つの御在所岳にある御在所ロープウエイ(株)の山上レストラン「アゼリア」だ。
カレーラーメン自体は元々、「御在所カレーラーメン」としてメニューにあったが、三条の「カレーラーメン」を知る石原正敬町長が、その縁を意識して、同社社長に名称変更を依頼。それを受けて「山上(サンジョウ)カレーラーメン」に改名した。
そのいきさつを石原町長は自身のブログ「石原まさたかの 痛快!風雲日記」に書いた。6月5日のブログで名称変更を依頼したことを掲載。同レストランのカレーラーメンは、「バランスのとれた出汁とカレーが麺にしっかりと絡みつき、具の唐揚げとの相性抜群」、「(失礼ながら)想像以上のクオリティに一緒に食べた職員共々大満足でした!」と絶賛している。
7月6日には「御在所山上(さんじょう)カレーラーメン」のタイトルで、「なななっなんと!!!本当に名称を変更していただきました!!!」と感謝の声と、新しく作られた「サンジョウ」の名前の入ったポスターを掲載した。
このポスターはすでに三条市に送られており、市役所庁舎内に掲示。カレーラーメン部会のある三条飲食店組合では、さっそく菰野町のカレーラーメンとの連携を模索している。
三条市内のカレーラーメン提供店を収録した「さんじょうカレーラーメン食べ歩きマップ」は、発行したばかりだが、ホームページには掲載し、カレーラーメンののぼりは同社に贈る考えだ。
三条のカレーラーメンと燕の背脂ラーメンで燕三条三条地域を盛り上げようと有志でつくる「燕三条ラーメン王国」の梨本次郎国王は、「今回の菰野町の山上(さんじょう)カレーラーメンや、鈴鹿市の鈴カレーグランプリなど、鈴鹿系カレーラーメンの勢力拡大は目を見張るものがある。しかしながら、こうして日本各地でカレーラーメンが広がって行くのは我が王国としては喜ばしいこと。三条カレーラーメンマップには番外編として菰野町の山上カレーラーメンも加えてもらいたい。山上でカレーラーメンを食べて、体操や盆踊りをしたら最高でしょうね」と今後の連携にも期待する。
石原町長は、ブログ内で「この夏はロープウエイに乗って涼しい御在所岳山頂へ行き、暑い御在所山上カレーラーメンを食べてみてください!」と呼びかける。ことしは伊勢神宮の式年遷宮で和釘や金具を納める三条からも三重県内に訪れる人も多いことから、菰野町まで足を伸ばして、「山上カレーラーメン」を味わう人もいるかもしれない。
菰野町は、2011年7月8日に三条市と災害時相互応援協定を締結。締結前の3月、三条市が東日本大震災の避難所を開設したときは、石原正敬町長と同町職員が三条市内で支援活動に加わった。締結直後に発生した7.29水害でも被害を受けた三条市に石原町長と職員が応援に訪れ、副町長はじめ町民がボランティアバスで駆け付け、保内地区の住宅で泥だしなど復旧活動を行っている。