三条市が行った東日本大震災で発生した震災廃棄物の広域処理に関係する支出は違法として、三条市の男性2人が30日、国定勇人三条市長に約5,000万円を市に支払うことを求め、新潟地方裁判所に提訴した。
提訴したのは、震災がれきの広域受入れに反対してきた市民グループ「未来の生活を考える会・三条」の伊藤得三代表とメンバーの太田護さん。2人は5月、三条市監査委員会に住民監査請求を行い、その監査結果に不服として住民訴訟を提起したもの。
三条市長に対して、震災がれきの広域処理に関するセシウム吸着ネットの経費などの公金の支出について、一般財源からの支払いを中止するような措置を講ずるよう勧告することを求めたが、7月2日付けの通知で、「請求人の主張については、請求に理由がないものと判断する」との監査結果を受けた。
この日午後、訴訟代理人弁護士や同会メンバーとともに新潟地方裁判所を訪れ、訴状を提出した。
訴状では「三条震災ガレキ損害賠償請求住民訴訟事件」として、国定市長に対し、震災がれきの広域処理を含む一般廃棄物最終処分場の埋め立て容量を増加するために計上された予算と合わせた支出4,982万2,500円を三条市に支払うよう求めているもの。
この支出は、必要性のない支出であり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に違反する支出であって違法であることを知りつつ支出を行った国定市長の行為は不法行為に該当するとしている。
また、提訴後、原告の男性は、震災廃棄物の受入れについて、少ない量をわざわざもってきて処理するというのはおかしいとし、セシウム吸着ネットの効果や焼却灰を埋め立てた最終処分場の施設などへの不安などについて話していた。