燕市教育委員会は3日午前8時半から燕市総合文化センターで、昨年に続いて水道の塔を描く子ども写生会「水道の塔を描こう」を開き、小学生15人が参加して水道の塔を水彩で描いた。
水道の塔の補修工事が完了し、国の登録有形文化財への登録を目指すなか、燕市のランドマークといえる水道の塔に親しんでもらおうと昨年、初めて写生会を開いた。ことし6月28日に晴れて「燕市旧浄水場配水塔」として登録され、ことしは国の登録有形文化財をモチーフにした写生会ということになった。
4年生以上の小学生を対象に募り、市内各地区から男7、女8の15人が参加。燕市美術協会の洋画と日本画の部門の会員9人が講師を務めた。休憩時間には市教委職員の案内で水道の塔の1階の見学も行った。
子どもたちは水道の塔の周囲の駐車場にポジションを取り、画板に画用紙を広げて鉛筆でスケッチから。気温は三条で正午でも25.3度と今の時期としては異例なほど涼しかったが、途中、雨が降ったため、燕市総合文化センターのひさしの下へ移動。参加者のほとんどが作品を完成させた。
学校の授業の図画とは違い、進んで参加した子どもたちだけに集中して画用紙に向かい、レベルの高い作品ばかり。空の空間がもの足りないので、講師の指導で本当はそこにはない太陽を真っ赤な丸で描く子も。塔の途中から描き始めたらてっぺんが画用紙の上にはみ出すことになったため、上に画用紙を継ぎ足して描く子もいた。
講師は最初に「それぞれが自分の夢の水道の塔を描いてください」などとあいさつ。作品が完成すると「一生懸命に描いてたね」、「好きなんだね、みんな」と子どもたちのようすに目を細める一方、若手の美術愛好者が育たない現状に「今の子どもたちがわれわれの会に入るようになったらいいんだけど」と期待していた。
作品は10月26、27の2日間、同センターで開かれる中央公民館文化祭にぶつけて10月24日から11月4日まで同センターロビーに展示する。ただ、多くの子どもはいったん持ち帰って夏休みの宿題として学校に提出することにしていた。