福島県只見町の高校生が八十里越の工事区間を含む福島県いわき市から新潟市を結ぶ国道289号全線を自転車で踏破、三条市長と只見町長も自転車をこぐ (2013.8.5)

一般の通行が不可能な八十里越の工事区間を含む福島県いわき市から新潟市を結ぶ国道289号の全線を、福島県立只見高校の生徒が自転車で踏破する「R289フルコース踏破 by WALK & CYCLE 2013」が3、4の2日間、行われている。三条入りした4日午前は、国定勇人三条市長と目黒吉久只見町長も参加して生徒とともに早期開通をアピールした。

国道289号の早期全線開通と自然の豊庫である八十里越周辺の環境保全、有効活用の推進を発信しようと2010年から毎年、夏休みに行っている。同校の選抜生徒や保護者、教諭、町民などで構成する実行委員会が実施主体となった事業で、高校生25人が総延長約325kmの行程を約10kmずつ交代しながら6台の自転車で踏破する。

今回は、同校の野球部、女子バレー部、パソコン部の部員と野球部マネージャーの計25人が参加。初日3日早朝にいわき市勿来の関をスタートして福島県内を走行し、午後5時半に只見町役場に到着。いったん町内の自宅などに戻り、2日目の翌4日は、午前8時に只見町役場前をスタートした。

工事中の不通区間の只見側ゲートから三条側ゲートまでは、自転車をトラックに積み、生徒はマイクロバスなど車両で移動。三条側ゲートで再び自転車に乗り、40キロ地点の日帰り温泉「いい湯らてい」前、50キロ地点の三条市役所下田庁舎前を交代しながら通過した。

下田庁舎からの10キロは、目黒只見町長と国定三条市長の2人も生徒と交代して参加。2人はそれぞれ「只見町長」、「三条市長」とあるのぼりを立てた自転車をこぎ、生徒と一緒に三条市消防本部へ。一足先にマイクロバスで到着していたほかの生徒たちに迎えられ、生徒とともに目黒町長と国定市長もハイタッチでゴールした。

同本部では、三条市からのプレゼントとしてモモ、ブドウ、三条市のミネラルナチュラルウォーター「千年悠水」を国定市長が生徒に手渡し、生徒代表から礼の言葉とともに福島のトマトが贈られた。

国定市長はあいさつで、自転車で通れなかった「八十里越」の道路は、生徒が30歳くらいになるとできると思うと見通しを話した。冬場の雪や豪雨災害で1年のうちの半分くらいしか工事できないが、建設し続けていることを思い出してほしいと言い、早期開通と踏破の無事達成を願った。

目黒町長は、10年後に生徒が開通した八十里越を走ったときに、きょうの気持ちをどう思い出すかと考えていたと言い、たくさんの声援や応援に感謝し、今まで以上に只見町と三条市と交流できるようにと願った。

参加した生徒のうち、1年生目黒大成君(16)は、2010年11月に行われた県境をまたぐ9号トンネルの貫通式に出席した。当時は只見中1年で生徒会役員。3年ぶりにトンネルに入り、今度は通過して新潟県へと入った目黒君は、「すごいな、工事が進んでいるんだ」と思った。前日からここまで通算40km、自転車に乗ったが、「初めてなんで、楽しい」と疲れはなく、「只見から三条市への区間の早期開通を願って走っている」、「こっちに来て買物とかできるし」と笑顔だった。

生徒たちは、昼食と休憩をとり、午後1時半に、新潟市に向けて再び出発。石上大橋を渡って燕市に入り、吉田地区からは116号線沿いを通り、新潟県庁を目指した。福島県立只見高等学校

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