小学生が三条市下田地区から弥彦村へ4泊5日で延べ100キロを踏破するという、生涯、忘れることがないであろう真夏の思い出を残す夏休み恒例「寺小屋つばさ100km徒歩の旅」が7日、スタート。4日後のゴールを目指して小学生64人が初日のコースを完歩した。
ことしで6年目の事業で、当初は燕三条青年会議所が主催し、昨年からそのOBを中心に「寺子屋つばさ100km徒歩の旅実行委員会」を組織して主催。三条市、燕市、弥彦村の4年生以上の小学生を対象に参加者を募集して、8人ずつ8班で64人が参加している。
初日7日は三条市下田地区の下田八木ヶ鼻温泉「いい湯らてい」=南五百川=を午前8時半に出発。五十嵐川に沿って下流方向に向かって歩き、下田中学校=笹岡=で昼食。午後から再び歩いて予定より1時間以上も早く午後4時前にこの日の宿泊先の三条市グリーンスポーツセンター体育館に到着した。
この日の三条の最高気温は31.1度。じっとしていても汗が噴き出す蒸し暑さだったが、曇りがちだったこともあり、例年よりはかなり楽な条件だった。そのため、歩くスピードをふだんは時速4キロのところ、時速5キロに上げたが、大きく遅れる子はなかった。
子どもたちはいつものように三度笠をかぶって隊列を組み、のぼり旗も掲げ、大声で歩調コールを上げてひたすら歩いた。ルートには十分に休憩ポイントが設けてあり、そこで水を飲んだり、首にひしゃくで水をかけてもらったり。初日にしては余裕のゴール。夕食にカレーライスを食べ、夜もレクリエーションを楽しんだ。
子どもたちをサポートしたのは、県内の大学生や専門学校生の学生スタッフ42人と実行委員会の30人。とくに学生スタッフは5月19日から毎週日曜に研修、合宿を行い、100kmのコースを試歩も行っている。
学生スタッフは、これまでは子どもたちと一緒に歩いてサポートするのが中心だったが、ことしは休憩所の準備、荷物の搬入と搬出、給水の準備などの裏方も行い、運営の手足のほとんどが学生スタッフに任されている。
学生スタッフの速やかな運営も時間短縮に貢献したようで、実行委員会の嘉瀬一洋団長は「きょうはあまりうまく行き過ぎかもしれません」と気を引き締めつつ、「もう少し厳しい環境を設定して、子どもたちにそのハードルを乗り越える達成感を味わわせてあげたい」と話していた。
期間中は家族と会ったり連絡したりすることは許されない。最終日の11日は弥彦山登山も行い、100キロを歩いて弥彦村農村環境改善センターにゴールする。