盆休み最終日の18日、燕市産業史料館は企画展「水燕鎚工会作品展」最終日の作品解説会と鎚起銅器小皿製作体験の来場者でにぎわった。
水燕鎚工会は、燕市と三条市で制作を続ける7人の金属工芸作家でつくるグループ。盆の同史料館での作品展は毎年恒例で、今回は2日から開いて44点を展示した。
毎週日曜に作品解説会を開いた。講師は会員が交代で担当したが、18日は最終日のこともあって会員7人全員が参加。それぞれ自身の作品を解説し、20人近くが参加する盛況だった。
一方、水燕鎚工会の会員が手掛ける鎚起の仕事の一端を体感できるのが、鎚起銅器小皿製作体験。夏休み中にいくつか企画した親子向けイベントのひとつで、平らな丸い銅板から小皿を作ってもらった。金づちでたたいて鎚目を入れ、木づちで縁を起こして硫黄で着色。不要な色を落とし、ろう引きして色留め、酸化防止を施した。
この体験は7月28日も行い、定員通り10人が参加。今回は申し込みが多かったため、定員を大きく上回るぎりぎりいっぱいの16人まで受け入れた。
受講は無料なのに、講師は燕の鎚起銅器の象徴的な存在である玉川堂の工場長、玉川達士さん(43)という、なんともぜいたくな講座。参加は小学生親子が中心だった。
三条市の小野勝世さん(68)は、13歳と10歳の2人の孫と3人で参加を申し込んでいたが、親せきの11歳の子どもが帰省中だったので自分は付き添いになって代わりに参加させ、女の子3人で挑戦した。
小野さんは彫金を体験したことがあり、「めったにない機会だから孫たちに経験させようと思って」。子どもたちは時間を忘れて体験に熱中し、「色をつけるのがおもしろかった」などと自分で作ったオリジナルの小皿を手ににこにこ顔だった。