6月に三条市立条南小学校児童を乗せた三条市のスクールバスが校外学習に向かった下田地区で事故を起こしたことについて、三条市教育委員会は22日開かれた三条市議会総務文教常任委員会協議会で、事故後の対応などを説明し、安全策として市所有のスクールバスなど全28台にドライブレコーダーやカーナビゲーションを設置することを報告した。
事故直後の6月に開いた同委員会協議会で市議からの求めに応じて、事故後の事故後の対応、スクールバスの契約の見直し、専決予算のスクールバス装備品など、事故の経過とこれまでの対応を報告した。
事故で児童1人が医療機関を受診し、頸椎ねんざで全治5日と診断された。翌日以降は、健康観察やアンケート調査、カウンセリングなどを行い、7月中旬以降は「学年全体として、バスへの不安感を訴える児童はほとんどいなくなり、学校生活上ではバス事故の影響は感じられない」。7月30日現在でPTSDの症状を示す児童はいないと判断しているが、夏休み中もカウンセラーと連携して継続的に観察している。
より安全にスクールバスを運行するため、速やかに市所有スクールバスに各種機器を装備する。カーナビゲーション14台(ポータブル式機器使用のため半数に設置)、ドライブレコーダー28台、デジタルタコメーター28台、通信費、設置費用など計1,172万3,000円を予算計上し、専決処分とした。
契約の見直しでは、事故を起こした委託先の日の丸観光タクシー(株)を契約違反として8月31日で契約解除し、新しい委託業者を選定して9月1日より新しい委託契約に基づいて運行を開始。登下校での委託契約に変更はない。
委員の市議からの質疑では、事故原因は何だったのかという質問に対して教育委員会は、警察の捜査中であり断定はできないとし、捜査に影響することなので教育委員会から具体的な発表ができる段階ではないと理解を求めた。
また、1,100万円余りの予算で専決としたカーナビなどの装備が事故対策となるのか疑問視する声が多くあった。事故原因が特定されていないなかで対策がたてられるのか、主に三条市内を運行するスクールバスにカーナビが必要か、デジタルタコメーターの確認など、ハードだけ装備してもソフト面が整備されなければ機能しないといった意見や質問が相次いだ。さらに、学校や教育委員会などの危機管理マニュアルの適用や内部体制の構築も大切とする意見もあった。