燕市立燕西小学校(鈴木正尚校長・児童590人)は、夏休み中に前期と後期に分けてサマースクールを行っており、22日は後期のサマースクールがスタートした。
夏休み中も学校を使って児童の学力向上、勉強好きを増やそうと一昨年からサマースクールを行っており、ことしで3年目。ことしは7月29日から8月2日まで5日間の前期と、8月22日から28日までに5日間の後期を開設している。
前期は1学期にできなかったことや学習したことの定着を図るのが目的で、中学生と高校生を中心に41人のボランティアで延べ137人が先生役を務めた。参加した児童は延べ1,500人、1日平均300人で、全校児童の半数以上が参加する盛況ぶりだった。
後期は夏休みの宿題や自由研究で、大学生や図書館ボランティアを中心にボランティア11人でローテーションを組んで先生役に。毎日、午前は10時から11時半まで、午後は2時から3時半まで行っている。
その初日22日は、午前は115人が訪れた。会場は図書室を予定したが、図書室には収まりきらず、コンピュータールームや第2音楽室も開放して行った。午後からは児童30人余りが訪れ、エアコンのきいた図書室で、花粉症の自由研究したり、国語の書き写しをしたり、計算ドリルをしたり。勉強にこだわらずに、読書したり、絵を描いたりする児童もいた。
午後から先生役を務めた大学生は、いずれも燕市出身の3人。新潟国際情報大学情報文化学部4年の相場拓也さん(21)は燕西小が母校。児童の参加が多いことに驚き、「教えるという経験が全然なくて難しかった」と言う。児童からの質問が少なかたが、翌日にあらまえて教えると約束した児童があり、「あしたに向けてどうやって教えるか予習します」と張り切っていた。
秋田大学医学部2年の高橋由佳さん(20)は看護師を目指しており、「身近にも親せきにも小さな子どもがいませんが、小児科の実習もあるので、そういうのに役立つと思う」と前向きにとらえた。京都大学医学部2年の明道里穂さん(20)は「覚悟はしてましたけど、根本的なところから新しい概念を子どもたちに教えるのは難しかった」と、あらためて先生の苦労を身に染みて感じていた。
こうした夏休み中の学校での学習は、燕市内ではほかには吉田南小学校くらいしかないようだ。燕西小のサマースクールは年々、参加する児童が増えている。かつての子どもたちは、夏休みは学校へ行かずに遊べることが楽しみだったが、鈴木正尚校長は「今の子どもたちは器用にこなしているんじゃないでしょうか。勉強と遊びでメリハリのある生活を送っている」と分析する。
一方でボランティアで先生役を買って出てくれた中高生や大学生には「子どもに教えることの楽しさを感じ、そこから先生や保育士になりたいという人が出てくれればうれしい」と願う。「来年もことしの反省を生かしてもっといいサマースクールにしていきたい」と話している。