三条市内3地区の夏まつりの最後、下田地区の「しただふるさと祭り〜雨生(まおい)の大蛇祭」が24日開かれ、雨生の大蛇の行進行列から五十嵐川河川公園特設会場でのイベント、夜の花火大会まで行われ、昨年より2,000人少なかったものの18,000人(主催者発表)の人出でにぎわった。
この日の三条市は、前日から大雨洪水警報が発表されていた。雨生の大蛇祭は雨天決行だが、河川敷をメーン会場とするイベントなどの実施について、この日午前6時前から関係者で協議し、中止の意見もあったが、天候の回復が見込めると判断して実施した。
午前10時半の開会式には青空が見え始めた。河川敷の特設会場には大きな水たまりもあったが、日中は青空が広がった。午前中の園児の遊戯と中学生の吹奏楽のステージイベントを中止した以外は、すべて予定通りに進行した。
開会式のあいさつで、実行委員長の鳶田眞六下田商工会会長は、旧下田村時代にしただふるさと祭りが始まって22年目だが、2度の水害で中止したため今回が20回目の節目の開催と述べ、「これから雨は一滴も降りません。素晴らしいお祭りになると思います」。
国定勇人市長も、一般的にはあいにくの天候だが、雨乞いをするために始まった「雨生の大蛇祭」の目的からすると、一刻も早く願いを聞き遂げていただいて大願成就を果たした。これから先は、一滴の雨もこぼさず、最後の花火大会まで駆け抜けていきたいと、盛り上げた。
開会式に続いて、地域や団体で出店する模擬店、川をせき止めて作ったいけすでのニジマスのつかみどりなどがスタート。子どもから大人まで例年人気のつかみどりだが、ことしは20センチ余りのニジマスに混じって、体長70センチ余りの深雪マスも入っており、小さな子どもがやっとで抱える様子などに参加者も観客も歓声をあげて喜んでいた。
また、ことしは初めて「雨生の大蛇祭」で大蛇を担ぐために、23日から25日までの関川村の「えちご関川たいしたもん蛇まつり」に参加しているNPO法人国際ボランティア学生協会の大学生200人のうちの、29人が参加した。
関東を中心に関西や九州の大学の男子12人、女子17人。前日から農業体験学習施設「よってげ邸」に宿泊し、この日午前5時過ぎに大蛇伝説の雨生ヶ池のある吉ヶ平まで行ってから八木神社での神事に参加。朝から夜まで、地域の人と一緒に大蛇を担ぎ、特設会場でのイベントも楽しんだ。
気持ちよくあいさつをし、礼儀正しい大学生たちに「来年も来てね!」、「今度はうちに泊まれて」とかかわったおとなたちからは好評で、「若さっていいね!」と、新たな刺激や活気を与えていたようだ。
夕方は午後5時45分から雨生の大蛇祭を行い、大蛇の胴体部分を燃やし、よさこいソーランや盆踊りを行い、最後は花火大会で締めくくった。