県展無鑑査の洋画家、横山静江さん=燕市吉田法花堂=は29日、ことし4月に開園した地元の同市吉田東栄町、「きららおひさま保育園」(宮路絵里園長・園児206人)に2006年の県展奨励賞受賞作「母子(おやこ)」を寄贈した。
作品はS50号。横山さんが10年以上、描き続けている「母子」をモチーフにした子どもを抱く母を描いた作品。未満児棟へ続く廊下の壁に飾った。
横山さんは子どもに手がかからなくなってから地元のグループで本格的に創作を始め、1986年の県展で奨励賞を受賞。02年に県展賞を受け、そして06年の奨励賞で県展無鑑査となった。中央の美術団体、二科会の会友でもある。
横山さんが、同保育園を運営する社会福祉法人吉田福祉会の前理事長、滝本純子さん=同市吉田旭町4=と話すなかで、作品の寄贈の話になった。同保育園への統合のため、吉田八千代保育園と吉田南保育園が閉園になった。横山さんは統合された吉田八千代保育園の向かいに住み、孫が通園したこともあり、新しく生まれた「きららおひさま保育園」に喜んで作品を寄付することにした。
横山さんは「保育園に飾ってもらえば大勢の方から見てもらえるのでありがたい」と話し、「わたしが亡くなったら作品は処分されるんじゃないかと思うし」と笑った。
宮路園長は、未満児棟の入り口を飾るので「毎日、子どもたちを送り迎えする保護者も絵を見て、温かい気持ちになってくれたらいいと思う」と話している。また、今回の寄贈の仲介役となった滝本さんも開園時に日本の児童憲章を書いた書を同保育園に寄贈している。