本県では珍しくなった小麦の栽培に挑戦した「燕三条イタリア野菜研究会」とその収穫した小麦からパンを製造したパン店「サン・フォーレット」=三条市北入蔵=が28日、国定勇人三条市長を訪問し、三条産小麦を使ったパンを味わってもらった。
午後1時半に燕三条イタリア野菜研究会の内山徳寿会長と事務局の白野智久さん、「サン・フォーレット」=三条市北入蔵=の磯辺隆さんの3人が、6月に収穫してできた三条産の小麦粉を使った天然酵母のパン数種類を持って市役所を訪れた。
さっそくパンを試食した国定市長は、「すっごくおいしい。なんとなくうれしい」、三条産の小麦を使ったパンを感慨深く味わった。小麦を生産した内山さんも「コメ農家なんで、あんまりパンは食べない」と言いながらも「おいしいな、濃い感じがします」。
パンを作った磯辺さんは、「小麦の風味を損なわないようにつくろうと思った」と思いを話した。
今回の三条での小麦の生産は、磯部さんの三条産の小麦粉でパンを作りたいという話から始まったが、県内には小麦の生産者が少なく、三条産は手に入らなかった。それなら作付けしてもらおうと、伝統的な野菜とあわせて、レストランなどからのニーズによってイタリア野菜を始め手がけたことのない農作物の生産に挑戦する同研究会に栽培を依頼した。
昨年10月に、三条市戸口地内の田んぼ約5,500平方メートルに小麦のタネをまき、順調に生育、ことし6月27日に小麦色の畑で収穫した。その後、乾燥、検査を行い、製粉して小麦粉となり、低温倉庫で保管。同店からのオーダーを受けて出荷している。
同店では7月後半から、三条産小麦を使ったパンの試作を行いながら試験販売を開始し、現在は商品として店頭に並んでいる。
国定市長は、三条産の小麦粉を使用したパンは、これだけでもう地産地消のシンボリックだが、もう一工夫、パンを使って何かできるといいねと話していた。この小麦粉は、パンのほかに、ラーメンにして「ほぼ100%三条産カレーラーメン」の話もあるという。