燕市の分水おいらん道中PR隊として2Dのイラストから生まれた燕のゆるキャラ「きららん」がついに着ぐるみとして3D化。燕市観光協会(山崎悦次会長)は30日、そのお披露目を行った。
分水おいらん道中のおいらん役がモデルで、あでやかな着物にかんざし、おいらん独特の外八文字を描いて歩く足元は、もちろん高下駄。きらりと光る大きな目がキュートで、本来の“ゆるキャラ”の意味からすると、それほどゆるくない。決めポーズは、外八文字のときに片足の高下駄を内側へ倒し、首をかしげたところ。
きららんは2011年の分水おいらん道中をPRするキャラクターとして誕生した。残念ながらその年の分水おいらん道中は東日本大震災の発生で中止になったが、ツイッターを駆使してPRし、昨年はフェイスブックデビューも果たした。
観光協会できららんのぬいぐるみや名刺入れといった公式グッズも発売。今春、スタートした燕市の予約制乗り合いワゴン車も「おでかけ きららん号」と命名しており、市内ではきららんの認知度が着実にアップしている。
一方で、これまでは着ぐるみがなかったため、全国各地で開かれているゆるキャライベントは指をくわえて見ているしかなく、全国発信のためにも着ぐるみの製作は急務だった。今春、燕市内3地区を統合した燕市観光協会が発足したこともあり、着ぐるみを予算化してついにきららんの3D化が実現した。
鈴木力燕市長は、熊本県PRマスコットキャラクターのくまモン並みに企業でもきららんを活用しようとするなか、きららんの3D化の実現で「ますます燕市の観光、物産のPRに活躍してくれるんじゃないか」と期待。個人的には燕市とコラボする東京ヤクルトスワローズのマスコット、つば九郎と「恋が芽生えるかどうかが非常に関心事」で、9月22日に燕市・スワローズライスファームで行われる稲刈りが来燕するつば九郎との初めての出会いとなり、「そこから新しいストーリーが始まるといいな」と、ゆるい会話で和ませた。
燕市観光協会会長の山崎悦次燕商工会議所会頭は、経済評論家の森永卓郎さんの講演で、これからの地方の活性化にはゆるキャラが有効で、くまモンは350億円くらいの経済効果があり、滋賀県彦根市のひこにゃん、千葉県船橋市のふなっしーなど全部のゆるキャラを集めると約1,000億円の経済効果と言われると紹介。燕市でもきららんを中心に「アジアもひっくるめて観光客を呼び込んで、温泉も近くにありますし、そういうものをパッケージにしてPRしていきたい」と経済効果にも大きな期待を寄せた。