8月の三条マルシェは31日、歩行者天国にした中央商店街の通り400メートル余りを会場に開かれた。この日は三条の産業カレンダーでは休日ではなく、最高気温34.6度の猛暑に見舞われて人出は1万7,400人にとどまったものの、相変わらずのにぎわいだった。
本町パーキング角から昭栄大橋手前までの通りを通行止めにして、約70店舗が並んだ。今回も飲食をはじめ、食品や農産物、手作り雑貨やクラフト、日用品や衣料品などを販売する店やリラクゼーションを提供する店が並び、スイーツフェアも開かれる。うち7店舗は初出店だ。
まずは毎度おなじみ三条商業高校商業クラブがオリジナルのパンを売る「いかぱん屋」。今回もいかぱん、たこぱん、ときぱんなど8種類のパンを販売した。ただ、今回はパン以外のものが登場した。上の写真のパンの右に並んでいるストラップやポストカードだ。
商業クラブ顧問の新井勝博教諭の勧めで、今回初めて同校美術部が商業クラブとコラボして出店。商業クラブ9人のうち5人と美術部12人のうち部長の3年熊倉那緒さん=三条市=と副部長の同風間彩乃さん=同=が参加した。
ストラップはプラ板に絵を描いたものを1個100円、ひもを編んだものを1個300円、ポストカードはパソコンで描いて出力したイラストとスケッチブックに手書きした作品を縮小印刷したものをそれぞれ1枚100円で販売した。
文化祭でも作品を販売しており、今回も同じ要領で制作して販売した。2人とも三条マルシェに来たのは初めて。次々と順調に売れるいかぱんに比べるとなかなか売れず、「販売の難しさを知りました」と販促の作戦を練っていた。
もっとも猛暑のせいか、本ちゃんのいかぱんの売れ行きも鈍かったが、いかぱんを移動販売し、何とか完売にこぎつけるペースだった。また、この日は商業クラブ生徒がツイッターによる情報発信を始めたが、それは別に記事で書く。
南魚沼だったと思うが、ソーセージを販売する店が出ていた。毛糸を束ねたようなカラフルなぼんぼんのような飾りがかわいい。翌9月1日、ヒメサユリ森林公園で開かれる三条楽音祭にも出店するとのこと。三条商業の生徒にも評判だったので、三条マルシェで食べ逃した人はぜひ三条楽音祭で。
三条市内の三条プロレスカフェ、ビストロニプル、カラオケスナックKiKiのアラサー男3人が出店した、冷やしパインと生冷やしパインサワーを売る店は、猛暑も手伝って順調な売れ行き。3人で実店舗の開店に向けた共同出店で、体を黄色に塗った謎のパインマンも出現して人気だった。
さまざまな店が並ぶなかで、燕市・白根屋の「桃のスムージー」は会場で口コミで人気を集めていた。きんきんに冷えたピンク色のモモのスムージーで、その下には凍った赤いザクロのゼリーがきれいに2層に分かれている。見た目も涼しげで、モモをそのまま食べるよりおいしいと評判になり、それを聞きつけた人が次々と白根屋を訪れて客足に切れ目がなかった。
金属製の名刺入れを手掛ける燕市・MGNETは意外にも三条マルシェ初出店。子ども向けに行った手書き名刺の体験に子どもたちが熱中していた。
三条マルシェをお祭り的なイベントと見ている人もいるだろうが、大きな目的が中心市街地の活性化。会場の既存店には三条マルシェの日も営業を呼びかけ、店の前にはマルシェが出店せず、日常の営業につなげてもらうようにしている。シャッターを開けて営業していた店が目立ち、売れ行きもまずまずだったようだ。
三条マルシェ終了まで残り1時間を切るとできる限り商品を売り切ろうとセールが始まり、初出店の三条市・グランツも500円のカクテルの値札を400円に書き換えて客を呼び込んでいた。
今回はスマートウエルネス三条「100のプログラム」の一端を三条マルシェでお披露目した。「100のプログラム」は、健幸を目指すスマートウェルネス三条の取り組みとして、中心市街地に日常的なにぎわいを創出する小路を使ったプログラムを創造しようと今年度から取り組んでいる。
今後、三条マルシェとあわせた規模の大きなイベントも計画しているが、今回はいわばその顔見世興行。商店街から少しわきへ入った丸井今井邸駐車場、本寺小路、あいでん本町店の交流スペースでラジオ体操、音楽体験、青空ワークショップ、青空将棋体験などが行われた。
体を動かすのが危険なほどの猛暑で、ラジオ体操をすると汗びっしょりに。それ以外のプログラムも猛暑で参加者は少なめだったが、会場を訪れた人の視線を集め、秋の本番に向けた滑り出しとしてはまずまずだった。