「県内の豆腐屋がつくった初めてのドーナツ屋」のふれこみで佐久間食品株式会社(佐久間欣一社長・三条市東本成寺)は、このほど同社敷地内に「町のドーナツ屋さん」をオープン。同社ならではの、おからと豆乳を使ったもちもちのドーナツの人気が口コミで広がっている。
オープンに向けて開発したドーナツの生地は、ミックス粉50%、豆乳35%、おから15%の配合。これをおそらく県内では初導入の米国製のドーナツを揚げる専用の機械で揚げる。カラッと上がったドーナツに慣れ親しんだ人は、もともちとした食感に驚くだろう。飲み物なしでも食べられるほどしっとりしている。
おからと豆乳をたっぷり使っているにもかかわらず、何も知らずに食べたらそれを使っているとはまず気が付かない。おいしくてヘルシー、体に優しいドーナツだ。
ラインナップは、プレーン税別100円とチョコチップ入り、チョコがけ、それと砂糖をまぶした昭和のドーナツがそれぞれ130円の4種類に「ボールドーナツ5個入り」200円。加えてスーパーで扱っていない賞味期限が短い同社商品も販売しているのがうれしい。朝はほかほかで味わえる「昔ながらの汲み出し豆腐」250円や「浮かし揚げ」150円、「調製豆乳500cc」300円、各種豆乳プリンも販売している。
ドーナツ屋を開くのが、同社の二代目、佐久間欣一社長(69)の昔からの夢だった。同社前の駐車場のスペースに設置したコンテナを店舗に8月17日にオープンし、夢を実現した。昔から菓子作りが好きで、今も一部、おからを使ったクッキーとシフォンケーキを試作、提供している。
県内にもおからや豆乳を使ったドーナツが販売されているが、豆腐屋によるドーナツ屋は県内初。「もう一度、食べてみたいというドーナツにお目にかかったことがない」と佐久間社長は言い切り、それだけ味には自信がある。
三代目の佐久間康之さん(30)も「おからは食物繊維が多く、家畜のえさに出したり、それでも余ると廃棄するしかなかったので、ドーナツとして生まれ変わらせることができるのはうれしい」。
オープンから半月だが、口コミで客が増え、リピーターも獲得し始めている。これからラインナップを増やしていくが、「おかず用ドーナツを開発したい。ドーナツを食べながら野菜もとれるような」と豆腐屋の新たな挑戦に思いをめぐらせている。
場所は市道西大崎を西本成寺線でコメリホームセンター三条四日町店側からJR信越線の跨線橋を越えた右下。通りに立てたのぼり旗が目印。