燕市社会福祉協議会就労支援センターと福祉プロダクトの企画販売を手掛ける「koro」=新潟市中央区=、さらに燕市観光協会がタッグを組んで企画する、鬼のつのをモチーフにした手作りのキャンドル、名付け「おにキャン」が間もなく完成。28、29日と燕市・道の駅国上で行われる酒呑童子行列関連イベントでお目見えする。
キャンドルは円すい型で3種類。高さ約15センチの「大」が500円、約5センチの「小」が300円。それに15枚のコイン型の“ろう”のチップを重ねて作るワークショップ用が500円。
「小」は紙のパッケージで包み、パッケージには鬼の絵を描く。赤、緑、黄、青、黒の5色でパッケージもそれと同じ色にし、それぞれ恋愛、健康、金運、学業、勝負の願かけ用に。さらになかにおみくじも入れる考えだ。
ワークショップ用は厚さ約5ミリ、直径約1センチから3センチの大きさが異なる5種類のコイン型の“ろう”のチップを15枚、重ねてつくる。色もまちまちで、好きな色、大きさのチップを重ねてろうそくの芯を通し、溶かした“ろう”の中をくぐらせると、くっついて自分だけのオリジナルキャンドルができあがる。
ろうそくは結婚式場から使ったものを譲り受けて溶かし、再利用している。酒呑童子行列は恋愛成就の願かけにウエートを置き、ことしは初めて「ご縁結びイベント」も行うので、ご利益が期待できそうなスペシャル感もある。ろうそくのカラフルな色が美しく、「福祉施設だから」という言い訳は必要ない魅力あふれるキャンドルになった。
燕市社会福祉協議会就労支援センターは、就職が困難な障がい者に就労機会を提供する施設。32人の登録者があり、軽作業など受託作業を行っているため、仕事の量が企業からの受注に大きく左右される。
安定的に仕事を得るため、自主製品を開発しようと昨年、キャンドルを試作したが、思うようなものができなかった。暗礁に乗り上げていたところで今春、『授産品読本』が目に止まった。福祉プロダクトの企画販売を行う「koro」=新潟市中央区=が昨年度、県内4つの福祉施設でものづくりに取り組んだ成果をまとめた冊子だ。
まさに就労支援センターに足りなかった商品の「魅力」をサポートしてくれるのが、「koro」だった。さっそく連絡をとって新たな商品づくりをしていこうと相談していた矢先、就労支援センターそばの燕市産業史料館に燕市観光協会の事務局が引っ越したのがきっかけで、今度は燕市観光協会からキャンドルを酒呑童子行列の公式グッズに使わせてほしいと依頼があった。
販路にも頭を悩ませていただけに、これも渡りに船。3者がタッグを組んだ結果、鬼をテーマにした商品開発に取り組むことになり、とんとん拍子で企画、開発が進んだ。
5日は3者が就労支援センターに集まって本番前の最後の打ち合わせを行った。実際にオリジナルキャンドルを作るワークショップも体験し、パッケージデザインや当日の段取りを相談した。「koro」の中島梨沙さんは「酒呑童子でぐんと話が進んで、あるていど地域を生かしたなかで進めていけると思う」と手応えを感じていた。
酒呑童子行列は29日で、前日28日は「ご縁結びイベント」。「ご縁結びイベント」は未婚の男女30人ずつが参加して行い、参加者がペンで「中」の「つのキャン」に願いごとを書いて竹筒に入れてキャンドルロードに飾る。本番の29日は「小」の「おにキャン」を販売、ワークショップ用の体験も行う。