加茂市の小池清彦市長は、9日午前10時から市役所で記者会見を開き、「県立加茂病院の建て替えに際して産科の復活再開を求める要望書」を泉田裕彦県知事に提出したことについて話した。
加茂病院の産科は、平山征夫前知事が退職した年、2004年の10月に休止。同月就任した泉田知事に対して翌05年1月末に小池市長と加茂市区長会は、加茂市民の93.25%にあたる3万0,473人の署名をもって加茂病院参加の再開を求める要望書を提出し、かねてから再開を求めていた。
また、県央2次医療圏の救命救急センターを併設した基幹病院を加茂病院とし、新たな建設地を加茂市が提供する土地にと提案したが、基幹病院は燕労災病院と三条総合病院の統合を核とすることに決まった。
築42年余りと老朽化が進んだ加茂病院は、現在地(加茂市青海町)での建て替えが決まり、県は「県立加茂病院全面改築検討委員会」を設置して、整備計画や建て替えに向けた検討を進めている。
小池市長は、病院の設備が充実するこの機会を「最後にして、最良のチャンス」ととらえて要望し、2日、加茂市役所を訪れた北島前副知事の後任で7月に就任した池田千絵子副知事に、泉田知事宛の要望書を手渡し、託した。
要望書のなかでは、加茂病院に救命救急センターが設置されなくなった結果、加茂病院への産科の復活再開が難しくなったとする。現在、産科は加茂、田上、新津、五泉、津川になく、周辺は三条と横越にあるだけとし、「広大な地域に住んでいる女性の方々大層苦しんでおられます」とする。
「知事におかれましては、基幹病院設置のあとは、ますます「三条」と「新潟の中部方面」にのみ産科医師が集中して置かれ、広い地域が産科医師の空白地帯となるアンバランスの現実と、大勢の女性の苦しみに思いを致され、県立加茂病院の建て替えの機会に、この病院に産科を復活再開して下さいますよう、重ねて衷心よりお願い申し上げます。」としている。
小池市長は、産科がないと記した近隣市町との連携についての質問に、田上町長は支持されていると思うと話し、状況に応じての連携はあるとの考えを示していた。