三条市下田地区の牛野尾、濁沢、早水、葎谷、遅場の牛野尾谷地区の5つの自治会でつくる「牛野尾谷五ケ会」(120世帯・388人)が、平成23年7月の新潟・福島豪雨災害での尽力が人命の安全確保に大きく貢献したなどとして内閣総理大臣表彰を受け、13日に三条市役所を訪れ国定勇人市長に報告した。
午前11時に、同会の坂井利彦会長と顧問の吉田進一郎市議の2人が市役所を訪れ、安倍晋三内閣総理大臣名の表彰状を持参して受賞を報告した。
同会の功績は、「平成23年7月の新潟・福島豪雨に際し、おおむね13日間ににわたって延べ400人が活動し、土石流発生の危険性が顕在化しているという極めて困難な状況のなか、危険を顧みず住民の避難誘導を行うとともに、土砂崩れにより指定避難所への経路が不通となったことから集落集会所等を避難所として開設し、自主運営するなど、全120世帯388人全員が避難し、1人として人的被害を出さず、人命の安全確保に多大な貢献をした。
また、応急復旧についても道路の通行確保、水路の通水確保や建物等への土砂流入撤去並びに二次災害防止作業などを行い、地域住民の生活の安定に貢献した」というもの。
9月2日に総理大臣官邸大ホールで表彰式が行われ、坂井会長が出席。全国から計47人・団体が表彰を受けた。内訳は国土交通省関係が14件、消防庁関係が33件。五ケ会は国土交通省の関係で、消防団などの受賞が多いなか、地域の団体は数少ない栄誉だ。
吉田市議は、今回の7.29豪雨災害では、ほかにも同じような状況があったなかで、牛野尾谷五ケ会が注目してもらったが、三条市全体が7.13水害の経験を生かして同じ下田地区内の森町や田屋でも同じ行動をしており、代表してもらったと思っていると話した。
坂井会長は、日ごろから集落で対応できることは集落でやっていこうとの思いで連携しており、当たり前のことをしただけで、どの地域でもしていると謙そんし、「やるべきことをやってよかった」、「皆さんを代表して受賞した」と喜んでいた。
牛野尾五ケ会は、昨年、国土交通省の土砂災害防止功労者表彰、県の感謝状なども受けている。