176年前に燕市富永地内に落下した米納津隕石が13年ぶりに里帰りして12日から23日まで市役所で開かれている「米納津隕石里帰り展〜おかえり!米納津隕石〜」にあわせて15日夕方から市役所で「星空コンサート&天体観察会」が開かれ、親子約130人が参加してフルートが奏でる調べと、肉眼では見えない天体望遠鏡を通した星の姿を楽しんだ。
初めにコンサートで、燕市PR大使の“笛人”こと本宮宏美さん(29)がフルート演奏のあと、天体観測を行った。昼過ぎまで雨が残り台風18号の接近で天体観測も絶望と思われた。コンサートは市役所裏手のまちづくり広場で開く予定だったが、いつ雨が降ってもおかしくない天気だったので、1階のエントランスホールに会場を移し、本宮さんのオリジナル曲や星にちなんだ曲を透き通るようなフルートの音色で30分余り楽しんでから天体観測を行った。
自然科学と科学技術の教育関連事業を行っていNPO星空ファクトリーと燕・弥彦科学教育センター、日本宇宙少年団吉田宇宙芸術祭分団が合わせて十数台の天体望遠鏡を用意し、自由に観測してもらう一方、NPO星空ファクトリーが天体に関する講演も行った。
主催者は雲で観測は無理とあきらめていたが、コンサートの間もみるみる雲が減り、観測が始まるころには奇跡的に空の半分は星が見える状態になった。
月のクレーターを見たり、星座で夏の大三角形を確認したり、「アルビレックス新潟」の名前の由来となった、はくちょう座のアルビレオを観察したり。倍率の大きなレンズでは、対象物がすぐに移動して見えなくなってしまうが、大半の望遠鏡が自動追尾式で角度を変えて常に同じ位置で星をとらえる。
子ども以上におとなの方が天体望遠鏡が見せてくれる宇宙の姿に感激し、月のクレーターに「こんなにはっきり見えるの!」、「目が痛いくらい明るい!」と興奮。持参した資料やスマホでネット情報を参照しながら観察するマニアックな親子もいて、大満足だった。
米納津隕石里帰り展は、15日で4日目となり、これまでの来場者は延べ2,223人、1日平均550人を超している。関心は予想以上で、市外からの来場も多く、関係者を驚かせるフィーバーぶりとなっている。