スマートウェルネスシティ首長研究会に参加する三条市に学ぼうと兵庫県・三木市の藪本吉秀市長が17、18の2日間、三条市を訪れており、17日は三条マルシェ実行委員会の副実行委員長の加藤はと子さん(38)に直接、コンタクトをとって話を聞いた。
三木市は神戸市の北西に隣接する人口約8万人の都市。三条市と同様に金物を主な産業としているため、古くから両市は交流があり、三木市を知る三条市民は多い。藪本市長は昨年9月に三条市で開かれた日本鍛冶学会に出席。三条市、福井県・越前市、岐阜県・関市の各市長とともに4市長でさらなる発展を目指そうと「金属産業都市における地場産業の活性化に関する共同宣言」を行っている。
そこで藪本市長は、国定勇人三条市長から加藤さんの存在を聞き、加藤さんが自分の好きな店だけを収録して2011年末に発行したマップ「SANJO tour MAP」にふれた。「これを見てびっくり。ぜひとも加藤さんに会ってみたい」と藪本さんの願いがようやくかなった。
加藤さんの話を聞く前に、自分の目で三条の商店街のようすを確かめようと、大通りを歩いてから一ノ木戸商店街のみんなのまちの交流拠点「みんくる」で加藤さんに話を聞いた。
加藤さんは、東京でイベント会社の企画、運営、司会をひととおり経験した。2010年秋に始まった三条マルシェに手芸店として数回、参加してから「男っぽいイベントだと思った」、「自分の店のためにも、ちょっとしたおしゃれ感が必要」と、自ら実行委員に名乗り出た。当時は約25人の実行委員のうち女性は3人だけだったと、加藤さんは三条マルシェにかかわった経緯から、これまでの取り組みについて話した。
藪本市長は「三木はモノづくりのにおいがまったくしない」と、国定市長が最近、「燕三条 工場の祭典」に向けて繰り返して話しているのと同様の言葉で今の三木市を表現。三木市は中学校3年生まで子どもの医療費を無料にしていることに、加藤さんも声を上げてびっくり。一方で藪本市長は、三木市に欠けているのは若者で、高校、大学、結婚前までは市民が神戸市へ出ていき、「三木市には若者のエネルギーを発散させる場所がない」。加藤さんから三条マルシェに市内高校の高校生がボランティアで運営にかかわっていることも聞き、藪本市長は「市内に県立高校が4つあるのに、それを生かせていない」と三条市の状況をうらやましがった。
加藤さんから1時間以上に渡って話を聞いた藪本市長は「三木市にもきっと加藤さんのような女性がいるので、ぜひとも三木に来ていただき、火を着けてほしい」と加藤さんの三木市訪問に期待。日本が元気になるには地方が元気でなければならず、地方が元気になるには「女性のパワーが必要」で、女性を「どうやってのっけていくのかが、われわれ政治家の課題」。「行政といいコラボが出てきてほしい」、「行政はときには泥をかぶる役になることも必要」と話していた。
また、三条マルシェを自分の目で確かめなければならないと、10月14日のことし最後の三条マルシェは再び視察に訪れることを約束した。翌18日は三条市で行政サイドからスマートウェルネスシティ関連の話を聞く。