燕市は15日、東日本大震災で同市と三条市で避難生活を送る人を対象に、長岡市の山古志へ出掛ける合同交流会「牛の角突き観戦ツアー」を開き、燕市から14人、三条市から5人が参加した。そのようすを燕市被災者サポートセンターの臨時職員、吉岡雄二さんがリポートしてくれた。
9月15日(日)8時30分、台風18号が接近するあいにくの天気のなか、燕市と三条市の合同交流会「牛の角突き観戦ツアー」一行が燕市役所を出発。0歳児も張り切って参加しました!。
10時頃、山古志に到着。山古志観光協会ボランティアガイドさんから山古志観光を案内していただきました。
まずは、日本一長い手掘りの隧道「中山隧道」へ。全長はなんと875mで軽自動車が通れる広さです!。中はひんやり寒いくらい。歩くと15分くらいかかります。手掘りなのに、中越大震災では損傷しなかったそうです。すごいですね。
続いて、中越大震災で水没してしまった木篭集落の見学。
山古志も中越大震災で被災し、全村避難した土地。震災からの復興のお話を興味深く聞きました。そして、車中から見える山古志の美しい風景も素晴らしかったです。
続いて子どもたちお待ちかねのアルパカ牧場。クリッとした目と顔はなんともいえぬ可愛らしさ。見ているだけで癒されます。
しかし、アルパカのフワフワした毛がカットされていたことが残念。しかも、この頃から雨が本格的に降りはじめました。
角突き会場では、山古志闘牛会の皆さんの心温まる対応で、全員分の屋根付き観覧席を確保していただきました。昼食は有名な山古志弁当。山古志の地場野菜を中心に、地元のおかあさん手作りのお弁当をおいしくいただきました。
牛の角突きが始まるころには雨もすっかり止み、牛にとっても絶好のコンディションに。参加者の皆さんの日頃の精進のおかげです。
牛の角突き場は、鉄柱とワイヤーロープで囲まれた円形でゆるやかなすり鉢状のリングのイメージ。闘牛は入場してくると「ママすり(頬を地面にこする行為)」をしたり、前足で地面を蹴るなど闘志満々です。
闘牛は全国6カ所で開催されていますが、国の重要無形文化財に登録されているのは山古志のみ。千年の歴史を誇り、そして勝負に勝敗はつけず、すべて引き分けとするそうです。勝負を決めるのが目的ではなく、勇壮に闘争して観衆の大喝采を得るとともに、大事な牛の負傷を防ぐためだそうです。
それでも、角同士がぶつかり、角が折れてしまうこともあるんですよ。
牛の角突き観戦は皆さん初めて。1トンを超える巨体と角がぶつかり合う音で迫力がモノスゴイのは見ての通りですが、牛同士の細かい技の応酬や駆け引きは、私たちには難しすぎてわかりません。でも、さすが長い歴史を誇る山古志の闘牛。なんと実況解説付きです。名調子の解説に聞き惚れてしまいました。
時には押し込まれた牛が間近に迫り、土が観客席に飛び散るハプニングも生観戦ならではの楽しみ。全14番の取り組みを楽しく観戦してきました。