燕三条のものづくりの現場を肌で感じてもらおうとと初めての「燕三条 工場(こうば)の祭典」が10月2日から6日まで開かれ、燕、三条両市の54拠点で職人がふだんは閉じている工場の扉を開いて、来場者を待つ。ツアー形式で行う地域の工場の見学はあるが、フリーで見学してもらう形式はおそらく全国でも初めて。来場者は2万人を見込む。
開放する54の拠点は三条市内40、燕市内14。1社で複数の現場を開放する企業もあり、工場以外の開放もあり、バイヤーから一般の人まで誰でも見学できる。
開放の日時や方法もまちまちで、例えば初日2日に開放するのは29拠点。ピークは土曜の5日で42拠点が開放する。
見学だけに限らず、ワークショップなどを体験できるところがある。時間にかかわらず自由に見学、体験できるとこもあれば、時間割を決め、予約制のところもある。
予約制のワークショップでは、燕市・玉川堂の鎚起銅器のぐい呑製作体験が参加費7,000円ながら早々に定員の20人に達した。ほかにもタケのはしとはし置きの製作、ミニ四駆作り、木工体験教室、おいしいご飯教室、エコクラフト、変わったところではファクトリーコンサートもある。
さらに“食”に関するツバメコーヒーとDAIDOCOのコラボで燕製品を体験する移動カフェ、内山農園で野菜の収穫体験、ハーベストでフレッシュハーブティー体験といった、磨き屋シンジケートのステンレスエコカップでノンアルコールビールの試飲も。三条市役所も子ども議会の開催や施設開放や体験を行う。
三条市では毎年、秋に越後三条鍛冶まつりを開いて三条で生まれた製品の展示を中心に三条の魅力をアピールしてきたが、ものづくりの現場を見たいという要望もあり、燕市も含めた燕三条地域としてさらに広く、深く燕三条の魅力を発信しようと「工場の祭典」にリニューアルした。
また、三条市が(株)中川政七商店、アッシュコンセプト(株)と取り組んできた越後三条鍛冶集団とともに伝統鍛冶の後継者を育成する経営力向上人材育成塾が交流。(株)メソッドの山田遊代表を講師に迎え、4月のキックオフ・ミーティングから半年間、工場見学の手法を学んできた。
25日は最終第6回運営委員会を開き、参加企業などから40人余りが出席して曽根忠行実行委員長があいさつし、最終打ち合わせを行い、完成したばかりの大型のタブロイド判20ページのパンフレットを配布した。開放のタイムテーブルも掲載したエリアマップも折り込んだもので、燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」、三条鍛冶道場、燕市産業史料館の3つの案内所で配布する。
初日2日は午前9時から(株)タダフサ=三条市東本成寺=でオープニングイベントを行う。参加企業はイベントのロゴに使われたピンクのストライプを、各企業でピンク色のシーリングテープと段ボール箱を使って装飾して目を集める。
週末の5、6日を中心にシャトルバスの運行もあり、詳しくは公式ホームページに掲載してある。イベントに関する問い合わせは三条市経済部商工課(電話:0256-34-5511)へ。