作業工具製造の(株)マルト長谷川工作所=長谷川直哉社長・三条市土場=は、ニッパー型爪切りなどを展開する同社の理美容ブランドを再構築し、「〜これから先のきれいをつくる〜」をブランドコンセプトにした「MARUTO」としてリブランドし、女性が大半を占めるという使い手のライフスタイルを意識した新たな展開をスタートした。
リブランドの対象製品は、ネイルケア関連のニッパー型爪切りをはじめ、キューティクルニッパー、トゥイーザー、爪ヤスリ、グルーミングキット、それに理美容はさみのシザースなど。20日に理美容商品リブランド発表会を開き、長谷川社長や担当社員がブランドイメージを一新した背景や新たな展開を紹介した。
ブランドコンセプトの中にある「先」とは、指先であると同時に、未来、時代の先端の意味も込めた。新しいブランドロゴマークは、「U」にもみえる柔らかい朱鷺(とき)色のマークに「MARUTO」とグレーの曲線が優しい。マークは、女性のしなやかな指先や爪のシルエットをイメージしており、ホームのブランド「KEIBA」に関連した蹄鉄(ていてつ)にも見える。
爪切りを収納するパッケージもこれまでの皮や布から、ロゴマークも意識した爪型のAS樹脂製のハードケースに変更した。
リブランドの目的について長谷川社長は、ニッパー型爪切りなど今まで10数年扱ってきたが、爪を切ってもらえれば「これいいね」と言ってもらえるが、手にふれるまでが難しかったと話した。
これまで百貨店などでは刃物売場での販売になり、包丁の隣で扉付きのケースに収納されて展示されてきた。花形のスペースである化粧品売り場や、高級ブティックにも置いてもらえるようなイメージ戦略を考えた。
美容関係のプロ向けの客はほとんど女性なのに、これまでは男性的なスタイリッシュさ、職人技といった男目線の切り口で展開してきたが、女性から「かわいいわね」と手に取ってもらえるような、欲しくなりそうな場所に置いてもらえるようにとも考えた。
同社によると、近年の爪切りを取り巻く状況は、爪のトラブルを抱える人への対応や健康、ネイルケアなどからニッパー型爪切りの優位性が一般にも浸透してきており、ネイル産業市場にいたっては、予測を上回るスピードで伸びる成長産業で、プロのネイリストのほか、自宅でネイルケアを楽しむ人も増加している。
同社のニッパー型爪切りも販売数は年々増加し、理美容や介護、医療などのプロが使う分野ではすでに支持を得ている。また、ネイルニッパー「ミニョン」は、日本感性工学会かわいい感性デザイン賞新潟地区賞を受賞するな実績も持つなど商品自体の魅力は品質ともども認められている。
今回のリブランドでは、現代の環境にあわせて広がる一般ユーザーにも照準を向けてアピールし、百貨店やセレクトショップでの販売を狙う。一方で比較的安価なシリーズのドラッグストアでの展開も視野に入れている。