燕市景観作物推進協議会(浜田勝人会長)は28日、燕市吉田新保地区の吉田ふれあい広場西側の田んぼをカンバスに稲穂で描かれた田んぼアートの稲刈りを行い、257人が参加してイネを刈り、秋晴れの下で収穫の秋を体感した。
毎年恒例の田んぼアートで、ことしで7年目。色の違う稲穂を植えて田んぼにデザインを描くもので、ことしも5月に田植えした。古代米や観賞用のコメを使って燕市のゆるキャラ「きららん」と、先に市内で里帰り展も開かれた176年前に燕市に落下した「米納津隕石(よのうづいんせき)」をデザインし、この日の収穫を迎えた。
デザインの元になった「きららん」も登場し、参加者と一緒に記念写真を撮ってからかまを手に田んぼへ入った。田んぼは広さ約40アールで、古代米や観賞用のコメは食用にむかないので、先に刈り取っておき、残ったコシヒカリを参加者に刈り取ってもらった。
絶好の秋晴れに恵まれ、午前9時からの開会式は肌寒かったが、稲刈りに熱中して気が付けば顔には玉の汗。「あしたは筋肉痛らね」と笑って話していた。
刈るだけならちょっと指導を受ければひとまず誰でもできるが、刈ったイネを束ねるのが難しい。イネの束にわらを巻いたら、イネの方をぐるっと回してしばる。年配の農家の人から手取り足取りで指導を受ける人もいた。
農業が機械化された今ではまったく必要のない技術だが、ベテランの農家の人は「覚えてるこてね。特別なことんね」、「昔はよっぽ、したもんだっけ、昔んの思い出してやってる」と上手に体全体を使って束ねていった。
束ねればいいだけでなく、上級者になるとはさ木にかけやすいように、2つの束の方向を変えて束ね、自然に束が開くように結ぶ。「そんねと二度手間らねっかね」。ここで必要な技術。というのも、収穫したコメはぜいたくな天日乾燥をするから。もちろん、今ではイネを干すはさ木は近くに存在しないので、会場付近の用水路に沿って設置されているガードレールを兼ねたフェンスで代用し、軽トラで次々と運び込まれるイネをフェンスにかけた。
作業する農家の人は「ことしのイネは乾いてるね」と言い、乾燥は2、3日で終わりそう。その後、脱穀、精米して参加者ひとりの600グラム前後を配布する。参加者にはひとりにおにぎり2つとジュースをプレゼントして収穫を終わった。