燕市砂子塚で生まれたとされる伝説の鬼「酒呑童子」をモチーフとした毎年恒例のイベント「第9回越後くがみ山 酒呑童子行列」が29日、燕市国上、道の駅国上で行われた。これまでは分水地区観光協会と分水異業種交流会が主催したが、ことし3月に分水地区観光協会が燕市観光協会に統合され、初めて燕市観光協会が主催。内容も大きく見直し、好天にも恵まれて主催者発表で行列に約400人、来場者は過去最多の1万人にのぼった。
メーンの酒呑童子行列は、鬼の酒呑童子や、酒呑童子に変わる前の美少年、外道丸にふんした人を先頭に編成。参加者の鬼のふん装や顔にフェースペイントする鬼メークも例年より凝っており、積極的に楽しもうと参加していた。
国上山中腹にある国上寺を出発し、ふもとの道の駅国上裏手の酒呑童子神社まで、「えい、えい、おーっ!」と、勝ちどきをあげるなどして林道を歩いた。途中で鈴木力市長の発案でウエーブも行うなど盛り上がりも例年以上。ゴールすると抽選会も行い、燕市のゆるキャラ「きららん」も登場した。
これまで1日だけで行ったが、ことし初めての試みとして、前日28日にもプレイベントを行った。メーン会場も道の駅裏手の酒呑童子神社から県道に面した駐車場の緑地に移したので、ドライバーの目にも止まった。
ステージイベントでは、これまでの地元による神楽や寸劇仕立ての酒呑童子変化、分水太鼓に加えて初めて佐渡市・佐渡鬼太鼓座と三条市・本成寺鬼踊り奉賛会が出演。なかでも圧巻は本成寺の鬼踊りで、初めて本成寺の鬼を見る地元の人たちはその迫力に驚き、子どもたちも大泣き。その後、親は「そんなことをしてると鬼が帰って来るぞ!」と、さっそく子どもしかるのに利用していた。
閉会後は竹筒を利用して作ったキャンドルを並べた鬼火ロードで400の火をともし、鬼の怒りをしずめるように光のアートで締めくくった。
この日は抜けるような青空で気温は三条で28.6度まで上がる汗ばむ陽気だった。28日はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」最終回の直前の番組NHKニュース おはよう日本」で道の駅国上から酒呑童子行列の紹介が生中継された。それと数々の新機軸がぴったりはまったようで、関係者には万々歳の酒呑童子行列だった。