「まちライブラリー」を燕三条にもと、まちライブラリー提唱者の磯井純充さん(55)がこのほど三条市を訪れ、まちライブラリーのレクチャーとワークショップを行い、地元の本やまちづくり、コミュニティーなどに関心のある20人余りが参加した。
「まちライブラリー」とは、カフェやギャラリー、オフィスや住宅、寺や病院などの一角に共通の本棚を置き、メッセージ付きの本を持ち寄り、交換して人の縁をつむぐ活動。2011年春にスタートし、今は全国各地60カ所以上で展開し、た活動は、現在、東京、大阪、埼玉、名古屋、兵庫、奈良など50カ所近くで展開している。
礒井さんはは、アーク都市塾、アカデミーヒルズといった森ビルの教育、文化活動に携わり、六本木アカデミーヒルズで日本初の有料会員制まちライブラリーを立ち上げたが、より身近で、顔の見える関係を大切にした個人の力でできる「まちライブラリー」活動を呼びかけている。
磯井さんは、ある若者との出会いから「目の前の人を助けるのではなく、利益になるかどうかと考えていた」、「それまでの30年近くは打算の連続だった」と、森ビルで手掛けてきた仕事やまちライブラリーを始めた動機、これまでに各地で起こったまちライブラリーの事例を紹介。植樹祭ならぬ「植本祭」と称して本を持ち寄るイベントも行っている。
参加したほとんどの人にとって「まちライブラリー」は初めて耳にする言葉だったが、それぞれがイメージしたものとはそれほど遠くなかった。その気になれば、あすにも始められるほど敷居は低い。磯井さんは参加した人たちのようすから、燕三条はまちライブラリーを始める土俵ができており、すぐにでも「まちライブラリー@燕三条」がスタートしそうだと話していた。