三条市・法華宗総本山本成寺は13日、宗祖日蓮聖人の命日に行う恒例の御会式(おえしき)を行うが、「お逮夜(たいや)」と呼ばれるその前日12日夜、ことしも万灯行列が行われる。万灯を行う団体のひとつ、本成寺万灯奉納会(鈴木則義代表)は7日から毎晩、本成寺で太鼓をたたく練習を積んでいる。
万灯行列は、造花で飾った万灯を引き、うちわ太鼓をたたいたり、題目を唱えたりして行列する。12日は午後6時半に牛池と黒門の2カ所から出発。牛池からは地元御題目講中、黒門からは市内のお会式太鼓講「一灯会」、四日町同行、本成寺万灯奉納会の小若連、市外から旧小須戸町の感応寺お題目講中、旧白根市庄瀬の本楽寺同行、そして初参加の見附市の見附講中が出発する。
かつての桜土手の名残の道路を右回りに進み、参道から赤門を抜け、7時半に同寺に戻る。その後、本堂では読経が行われる。
本成寺万灯奉納会は毎年、参加しているが年々、参加者が減って昨年は参加を見合わせようという声もあったが、一度、途絶えると再開は難しいことから継続。ことしは参加者も順調に集まって参加に迷いはなかった。
会員は15人で、参加する子どもは保育園の年中児から小学校6年生までの小若連約50人。9月23日から万灯を飾る花作りを始め、10月3日から万灯の組み立て。10月7日から10日まで4日間、太鼓練習の計画だったが、9日は台風接近で中止したため、1日延長して11日に最後の練習を行う。
10日夜は午後7時半から1時間、本成寺客殿で練習した。会員10人、小若連40人ほどが集まった。うちわ太鼓は利き手にばちを持ち、もう一方の手にうちわのような形の太鼓を持ってたたく。太鼓の直径は子ども用が6寸、おとな用が9寸。
行列では、最初は表と裏の2種類のリズムでいわば合奏する万灯太鼓で始まり、赤門からは題目を唱えながらたたく題目太鼓。さらに境内に入ってからたたく、かえり太鼓の3つがあり、実際に廊下を歩きながらたたく練習もした。
すでに子どもたちはリズムを体で覚え、考えなくてもたたけるほど熟練。思い切りたいこをたたき、休憩時間も「それ、それ!」という合いの手を楽しそうに練習していた。本番では、おとな用2基と子ども用1基の万灯と、ちょうちんを連ねた竿灯(かんとう)を引いて練り歩く。
また、本成寺本堂前に設置した2基の万灯は台風でかなり壊れたため、修復の予定。万灯行列は当日の飛び込み参加も可能で、大勢の参加を呼びかけている。