県央地域救急医療連絡協議会(会長・池田稔三条市医師会会長)は12日、燕三条地場産業振興センター・リサーチコアで「地域で考え、地域で守る救急医療」をテーマに、県央地域の救急医療を守るシンポジウムを開いた。
地元の医療機関や行政から約80人が参加。燕労災病院の鈴木幸雄院長をコーディーネーターに、シンポジスのに新潟県済生会三条病院の坂内均副院長、県央医師会応急診療所の高野伸子看護部会長、三条市消防署の山上直樹副小隊長、地域医療魚沼学校の布施克也校長がそれぞれの現場での救急医療にかかわる現状や課題を発表したあと、フリーディスカッションを行った。
開会あいさつで池田会長は、県央地域の二次救急医療を見直そうとこの協議会を始めたことを話すともに、2015年6月にオープンする魚沼基幹病院が基本構想策定から6年かかっていることから、県央地域の基幹病院も「東京五輪前には開設される」との見通しを話した。
トップバッターの新潟県済生会三条病院の坂内副院長は、全国救命救急センターでの収容患者のデータや救急医療機関の機能など基礎的な話のあと、県央地域の救急医療を取り巻く諸問題として、二次救急医療機関における救急医療の担い手当直医の実情、医療機関のCapacityの問題、初期救急に関しての諸問題、実際の事例に基づいたご要望の4点をあげてそれぞれ詳しく話した。
救急医療の現場では、一睡もしない翌日の通常業務を行わざるを得ない場合があり、県央地域には三次救急医療機関がないため重症例も含めて域外搬送とならざるを得ない場合があるなどとした。
また、軽症の感冒にもかかわらず、救急車を呼べばすぐに来てくれ、金もかからず、病院ですぐに診察してもらえるからと、いわゆるタクシー代わりの利用ががることにも言及した。