工場の祭典の最終日前日、5日の夜はスノーピークで参加企業などによる交流会が開かれた。ここでおもしろかったのは、3人で車に乗って富山県富山市から日帰りで訪れた女性だった。ことし6月、国定勇人三条市長が富山市へLRTなどを視察し、それに同行取材した。そこでは富山市が進めるコンパクトシティーなどの話を神田副市長や市の担当者から聞いたが、市民がそれをどう受け止めているのかが気になっていた。
もちろん彼女が富山市民を代表するわけではないが、LRTからブラックラーメンやトロッコまで、いろいろな話を聞いた。ちなみに富山市内で運用されているレンタサイクルについては、使いにくいと言っていたが、工場の祭典を折りたたみ式自転車で回ったことについては、自転車のおかげでさまざまな産業が生まれた歴史や文化といった背景を町の雰囲気から何となく肌で感じることができたと話していた。
また、翌日、再会した徒歩で工場を回っていた京都からの青年も、西燕駅で40分も電車を待つはめに。のんびりした旅になったと笑っていたが、こちらから聞いたわけではないのに、レンタサイクルがほしかったと話していた。反面、シャトルバスの利用率はかなり低かったようで、やはり次回はレンタサイクルが必須だ。
彼女の話に戻ると、ステンレスの板金関係の会社で働いている。工場の祭典にはプライベートで参加したが、やはり仕事のことが気になり、何件か仕事の発注先を見つけることができたと喜んでいた。
燕三条地域の企業との取り引きを期待しながらも、工場の祭典が初めてなのでイベントをイメージできず、プライベートで参加したという人が目立たった。それでも多くの参加企業が何らかの成果を上げていたようで、“お祭り”にとどまらずに実利をあげていた。
今回は参加企業を集めるのに苦労したが、次回は企業側から工場の祭典を開いてほしいと期待されるんじゃないかと思う。日曜に公開する企業が少なかったが、次回はもっと増えそうだ。
バイヤーなどは、工場を見学したいと思ってもふだんならアポを取り、予定を合わせるのが面倒だが、それを肩代わりしてまとめて見せてくれる工場の祭典は、ありがたい場となったようだ。それもこれも量、質ともに全国に誇れる地場産業の集積地であるがゆえだろう。