燕三条青年会議所(早川滝徳理事長)は26日、燕三条地場産業振興センターで「まちづくりフォーラム〜魅力あふれる燕三条の未来を見つめよう〜」を開き、500人余りが来場して先に燕三条JCが策定した燕三条ビジョンに基づいて燕三条の未来を考えた。
午前はテレビ番組「ビートたけしのTVタックル」でもおなじみの白鵬大学教授・東北福祉大学特任教授の福岡政行さんをコーディネーターとしたメインフォーラム、午後から新潟県のローカルヒーロー「超耕21ガッター」を迎えてサブフォーラム「親子で地域医療を考えよう!」を行った。
開会のあいさつで早川理事長は、16年前に燕と三条の2つの青年会議所が燕三条青年会議所に統合したのは、両市が「合併するためにできた団体と言って過言ではない」とし、合併が「魅力的なまちとなるいちばんの近道」であり、燕三条を見てもらうためにこのフォーラムを企画したと話した。
このちょうど10年前の10月16日は燕市で三条市を含む5市町村との合併の賛否を問う住民投票が行われ、小差で反対が上回った。もしその時、燕三条市が実現していたなら、この地域は今と違った形になっていたはずで、「そういった可能性をきょう、皆さんにお示ししたい」と趣旨を説明した。
メーンフォーラムのパネルディスカッションでは、福岡さんをコーディネーターに地元の製造業、農業、病院、観光などの分野の8人をパネリストに、救急医療や基幹病院について、燕三条ブランドの発展と人づくりについて、観光事業の可能性について3つのテーマで話し合った。
中央に座った福岡さんは冒頭、「田中角栄の雪国の政治風土を早稲田大学大学院の25歳のときに調べてすでに40年以上の歳月がたつが、本当に燕三条の駅を含めて新潟は変わらない」、「どういうような未来を展望するか、それが今回のJCの諸君の思いであろう」と話して始めた。
観光について福岡さんは、北陸新幹線の話を含めて燕三条駅が「なんとなく通過駅になっているような感じ」で、東海道新幹線の岐阜羽島駅を「まったく発展しない」と引き合いに出して、「それと同じくらいに燕三条も近いのかな」と前の晩にJCメンバーと話したことを紹介した。
柳井洋品店の息子のユニクロ・柳井正氏、似鳥家具店を創業したニトリ・似鳥昭雄氏がいつも言うのは「ネスクト・ワン、次の一歩」で、燕三条地域にも「潜在的な能力がいっぱいあると思う」と期待した。
「この地域にはへそがない」と燕三条駅の駅前、駅中の開発を勧めた。香川県高松市のシャッター街になった丸亀町商店街が定期借地権導入で土地の所有者と利用者を分離し、13階建てのシルバーマンションを建て、まちのまんなかにお年寄りが集まり、下の商店街で買い物できるようになっている事例を紹介した。
燕や三条も「何十億円の市役所を作ることが本当にいいのか。それよりもまず基幹病院をバックアップする。18万人のこの地域で2,000人の職員は多過ぎる」とも指摘した。
「ヤクルトスワローズの熱狂的なファンでありまして、燕のためなら命をささげるつもりでありますのでぜひ来年、おいしいおそばつきで呼んでいただければ」と締めくくった。