燕市・宮町商店街「サンロード宮町」のオーバーアーケードの解体工事が5日始まり、3日目の7日までに早くも車道に4本の仮設電柱が立った。仮設電柱はオーバーアーケードの屋根より高く、オーバーアーケードを貫くように立ち、市民はあらためて解体工事が始まったことを実感している。
解体工事では、オーバーアーケードの上に架設してある電線を新たに設置する電柱に移設するが、そのためにはまず、仮設の電柱に電線を架ける必要があり、その工事から始まった。
仮設の電柱は全部で6本。着工2日目の6日、続く7日と2本ずつ、4本を立てた。仮設の電柱の高さは13メートル。開閉式のオーバーアーケードの屋根を開き、開いた部分からその上まで突き出す形で設置した。
オーバーアーケードの上も意外に構造物が入り組んでおり、それらにぶつからないように立てるため、クレーン車で電柱をつり上げる作業は慎重に行われた。7日は最後にもう1本、5本目を立てようとしたが困難を極め、結局、午後5時半ころに時間切れであきらめ、翌日以降に持ち越した。
最後の6本目の仮設電柱はオーバーアーケードの屋根が開いた部分で適当な場所がないため、オーバーアーケードを壊して立てる。
想定外だったのは、電柱を立てる位置。オーバーアーケード下は東から西へ向かって一方通行で、進行方向に向かって左側に設けられている駐車スペースに電柱を立てる計画だった。
車道下には水道管、ガス管、電話線などが埋設されており、事前に関係者と埋設位置を確認してそれらを避けて仮設する位置を決めたが、いざ掘ってみるとわかっていた電話線以外にも別系統の電話線が駐車スペースの下に埋設されていたため、急きょ進行方向に向かって道路中央よりやや右に変更した。
4本の電柱は、まるで通せんぼするように道路の真ん中に立ちはだかり、いかにも大がかりな工事が始まったという印象を与えている。基本的には車は通行可能だが、電柱をクレーン車でつり上げるときは通行止めにして作業を行っている。
宮町商店街振興組合副理事長、レディースファッション&バッグ「かなや」の小黒猛さん(46)によると、12月と来年1月の2カ月間は、ほぼ丸々、車両通行止めになるという。その間の車両通行止めは、日曜を除いて午前8時から午後6時まで行われる予定だ。
経営する店も7日は客足がぱったりだったが、翌8日からは毎年恒例のコートフェアを始めることに。店舗裏にある駐車場と裏口の利用を呼びかけている。自分の店だけに限らず、解体工事期間中もできる限り商店街に足を運んでほしいと願うばかりだ。
客が少ないこともあって、時間を持て余した商店街の人は外に出て工事の様子を見守っていた。「工事の間、収入がゼロに近いような形じゃ、やってけなく店が出ると思うよ」、「36年前の建設工事はもっとおもしろかった。ボーリング工事が始まると家が揺れたもんだ」とさまざまな思いがわき上がっていた。