三条市地域公共交通協議会は14日、平成25年度第3回協議会を開き、タクシー車両を利用する交通手法のデマンド交通「ひめさゆり」の利用料金の値上げを来年1月をめどに行うことを決めた。
会長の国定勇人市長をはじめ、バス、鉄道など公共交通事業者、国、県、市の道路管理者、三条市タクシー協会、公安委員会、利用者、学識経験者、関係機関など26人の委員のうち20人が出席。公共交通利用状況について、デマンド交通ひめさゆり利用料金等の見直しについて協議し、原案通り決めた。
同協議会では、全国的に高齢化が進むなか、持続可能で利便性の高い公共交通体系の構築が求められているとし、4月の今年度第1回協議会から利用料金見直しに向けての調査や検討を進めている。
「ひめさゆり」の料金は財政シミュレーションをふまえ、法定協議会での了解を得て値上げの準備を進める。実施は2014年1月、値上げ幅は、1人乗車で200円から500円、複数乗車で100円から200円を計画する。今後、タクシー事業者と調整し、12月に北陸信越地方運輸局に申請し、利用者や市民に周知する。
デマンド交通「ひめさゆり」は、三条市内全域の停留所間を事前予約によって運行。1人乗車の場合、利用者が支払う料金は運行距離ごとに300円から3,000円で、タクシー運賃のおおむね3割程度で、それ以外の多くを運行補助として行政が負担。
利用者数の増加に伴い、行政負担も増大している。ことし9月の平均利用者数は434人で、社会実験を開始した2010年10月の1.6倍に増え、同月の行政負担額は627万円も大幅増となった。
事務局の示した行政負担試算結果では、平成24年度約7,550万円だった負担が、料金見直しによって約5,650万円に減り、約1,900万円の削減が可能で、継続可能な制度になると説明。また、利便性の高い循環バスルート等の見直しの財源に充てることも視野に入れるとしている。
今回の見直しでは、デマンド料金値上げに係る循環バス路線及び料金の検討、デマンド交通停留所設置基本方針による停留所の見直しの考え方などについても示された。