21日に死亡事故が発生した三条市清掃センター=土井通社長・三条市福島新田=の業務委託を受けている三条エコクリエイション株式会社=同市旭町2=は22日、記者会見を行って事故の状況などを話した。
会見には、同社の土井通社長、小松康代表取締役、和田信一郎取締役が出席。この事故は同社社員の21歳男性がごみ破砕機にはさまれて死亡した。
事故当日の経緯は、被災者は通常通り午前8時に出勤した。この日は4人ずつ3班、12人の整備班で月例のプラント各所の点検整備作業が行われ、被災者は同僚と2人で、ごみ破砕機内部の点検整備作業に従事した。
ごみ破砕機は2つあり、午前はまず2号の点検を行い、昼休憩後も引き続き2号の点検整備後、1号の点検整備に着手してから午後2時43分ころ、被災者がごみ破砕機内部で下半身を破砕刃の間にはさまれる事故が発生。119番通報し、救急隊員、レスキュー隊員、福多駐在所員、済生会三条病院の医師が到着したが、4時18分に医師が心肺停止を確認。4時39分ころ被災者をごみ破砕機から救出し、4時47分死亡を確認した。
被災者は監視作業を行っており、点検整備作業は同僚が行っていた。同僚が作業盤でごみ破砕機を動作させたところ、何らかの理由でごみ破砕機の中に入っていた被災者が破砕刃にはさまれた。
点検整備のためにごみ破砕機の内部へは、腰の下くらいの高さにある50センチ四方ほどの点検口から入るため、誤って転落する可能性はゼロではないが、考えにくい。点検整備するには、中にはしごをかけて降りるが、はしごは残っていなかった。
また、作業盤を操作する同僚からは、ごみ破砕機の内部のようすは見えない。同僚は作業のルールにのっとって「正転」と合図し、その声は近くで作業していた社員も確認している。
被災者がごみ破砕機にはさまれたのは、近くで作業していた社員が異音を聞きつけて、作業盤を操作していた同僚に伝え、ごみ破砕機を停止させた。被災者がごみ破砕機の中にいた理由など詳しくは捜査中。
同センターは、それまであった施設の老朽化に伴って建設された新しいごみ処理施設で、昨年7月に完成。公共が資金調達を負担し、設計、建設、運営を民間に委託する「DBO方式」を採用し、三菱重工環境・化学エンジニアリンググループが母体の三条エコクリエイションが20年間にわたって運営する契約となっている。
三条エコクリエイションは一昨年に設立。被災者は昨年2月に入社し、月例の点検整備作業はこれまでに4回、5日間、従事している。事故当日もふだんととくに変わったようすはなく、持病もなかったようだ。
今回の事故について土井社長は、「誠に遺憾」で「お亡くなりになられた方、ご遺族の方には誠意をもって対応するとともに、弊社としては今回の事故を重く受け止め、再発防止に全力で取り組んでまいります」と陳謝した。