「絵本の里」づくりを目指す北海道剣淵町を舞台に人の優しさと親子のきずなを描く映画『じんじん』の新潟県内で初めての上映会が24日、燕市文化会館で開かれ、2回の上映で合わせて約450人が来場し、生き別れになった父と娘の偶然の再会からきずなを取り戻す物語に涙した。
主役は大道芸人。妻と別れたときに6歳だったひとり娘と会うことが許されなかったが、高校生になった娘と剣淵町で偶然に再会し、再婚した妻の夫とのかかわりを含めて複雑に揺れ動く大道芸人の姿を描く。
主役を演じる俳優、大地康雄さんが企画がした作品。剣淵町には「絵本の館」があり、「けんぶち絵本の里大賞」も開かれている。映画のなかでは、主人公が作ったという設定の絵本『クロコダイルとイルカ』(ドリアン助川・作/あべ弘士・絵)がストーリーの重要なかぎにもなっている。
来場者は年配の人が中心。コメディー的な場面も多く、会場からは笑い声が上がることもあって軽快なテンポで進んだが、後半は涙なしにな見られず、目をぬぐったり、鼻をすすったりする人も多く、作品のタイトル通り、心で「じんじん」と受け止めていた。
また、来年に入ると三条市でも上映会が開かれる。1月31日(金)と2月1日(土)に三条市中央公民館、2月2日(日)に三条市教育センター、2月8日(土)に三条市下田公民館で開かれる。