三条市立大島中学校(杉山敏校長・生徒58人)で25日、昨年に続いて脳科学者の茂木健一郎さんを講師に寺小屋授業が開かれ、大島中全校生徒と同校学区内の大島小と須頃小の5、6年生51人が参加してアドリブ満載の対話形式の授業を時間を忘れて楽しんだ。
昨年に続いて茂木さんによる授業。昨年は大島中同窓会の主催で「挑戦」をテーマに開き、今回は大島中、大島小、須頃小の3校PTAの主催で「自信と努力」をテーマに体育館で100分間の授業を行った。
今回も茂木さんを囲むようにアーチ型にいすを並べて座り、保護者約50人も参加。今回も中学生は好きなことを書いた紙を用意するなどネタを用意したが、茂木さんはほとんど無視。対話形式で子どもたちをステージに上げ、会話の中からネタを拾って話を広げ、そのなかに学びや気づきを散りばめるような形で授業を進めた。
子どもたちは“お前”と読んで友だち感覚で対等な目線で接し、マージャンが好きだという中学生に「中学生なのに麻雀やっていいのかよ!」と突っ込んだり、自身のことは「このくまモンのような体形」と自虐ネタで笑わせたり。フルマラソンに3回挑戦したことがあり、今もジョギングを日課にしていることもあって、いきなり小学生と競走して走ったり、スクワットをしたりと、次の展開がまったく読めない型破りの授業だった。
そんななかにも「体と違って、脳は勉強してもそんなに疲れないはず」、「いちばんパフォーマンスがいい状態をフロー状態と言う」、ゲームが大好きな子どもには「勉強ができる人って、ゲームをするように勉強するんだよ」、「ひとつのことで頑張れる人は、ほかのことでも頑張れるんだよ」と、子どもたちがもっと自分の脳を生かす方向へ導くようなメッセージを散りばめた。
中盤では杉山校長との対談形式もあり、茂木さんは昨年の大島中の寺小屋授業と比べると、生徒が「積極的なのがうれしい」と言うと、杉山校長も「生徒が自分の殻を破っているのを茂木先生の前で確認できたのがうれしい」。小学校5年生以外は昨年も茂木さんの授業を受けているので、明らかに昨年より茂木さんとの距離が縮まっていた。
講演やテレビ出演に引っ張りだこの超多忙な茂木さんの授業を2年続けて受けられた子どもたちは、何ともぜいたくな体験。ぼけたり突っ込んだりの茂木さんとの漫才のようなやり取りに笑顔が絶えず、正直に勉強が嫌いと話していた子どもたちも、少なくとも茂木さんによる寺小屋授業は十分に楽しんでいた。