平成25年度第2回三条市防災会議が28日、三条市役所で開かれ、柏崎刈羽原子力発電所による原子力災害への対策計画となる三条市地域防災計画「原子力災害対策編」の案について協議し、県内初となる市独自の避難指示の発令基準や重要な避難先のひとつとして福島県会津方面や南会津方面とする案を確認した。
福島第一原発事故を受けて施行された国の原子力災害対策の新指針では、全国の原発30キロ圏内の市町村に、地域防災計画原子力災害対策編と原発事故時の避難計画の策定を求めている。三条市の隣りの見附市や燕市は柏崎刈羽原発から30キロ圏内にかかるため、すでに策定済み。
三条市は、半径30キロ圏内にはぎりぎり入ってはいないものの、福島原発の事故で放射性物質の拡散を見ると、同心円で描かれた30キロ圏内ではないからまったく影響がないとは言えないため、三条市でも原発事故を想定した避難計画の策定に取りかかり、地域防災計画では、「震災対策編」、「風水害等対策編」に加えての新たに策定する。
同計画は三条市の地域に係る原子力災害対策の基本となるもので、国の防災基本計画、原子力災害対策指針、新潟県地域防災計画に基づいて作成。さらに、県内全市町村で構成する「市町村による原子力安全対策に関する研究会」で避難、屋内退避、受け入れの際の共通の考え方を整理した「実効性のある避難計画(暫定版)」も反映している。
国や県で決まっていないところがあるものの、災害はいつ起きるかわからないことから、市独自の具体の数値基準を設けるなどして屋内退避や避難についてを中心に進めている。
会長の国定市長は会議のまとめに、今会議では避難指示の発令基準や避難先について確認したいとし、「数値基準を設けさせていただきたい、数値基準のレベルによって屋内退避という段階と20(マイクロシーベルト/時)を超えたときに外に避難してもらうという大きなフレームワークの意思確認」、「私どもが勝手に想定している前提条件だが、避難先として会津と南会津方面を重要な選択肢としていくことを含めて」と話し、委員の了承を得た。
計画案は今後、12月定例市議会で報告し、12月17日から来年1月6日まで情報公開コーナーやHPで公開し、パブリックコメントを行う。その意見を整理するとともに関係機関にも意見を求め、場合によっては修正案を作成して議会報告し、今年度内に同防災会議で計画の決定をする。
防災会議は災害対策基本法に基づいて三条市長を会長に三条市や国、県など関連機関の委員で構成。三条市地域防災計画を作成し、実施を推進、災害時の情報収集、水防計画の調査、審議などを行っており、定例的には毎年、梅雨入り前後に開催している。