2010年11月にオープンした現代アートのギャラリー「D+5(ディー・アンド・ファイブ) ART GALLERY」=三条市須頃=は、11月末から3周年記念の4つの企画展を立て続けに開いて愛顧に感謝している。
11月29日から12月6日まで開いた近代秀作美術展に始まり、7日から15日まで内田鋼一展、10日から19日まで西洋アンティーク展、20日から26日まで今井龍満2014年カレンダー原画展という日程だ。
内田鋼一さんは1969年、愛知県名古屋市に生まれた現代陶芸の旗手。イギリス、アメリカ、イタリア、オーストリアなど海外へも積極的に出展しており、今回の企画展では茶陶や雑器から漆喰(しっくい)のオブジェや箱書きの延長で手掛けるようになった書も展示する。
西洋アンティーク展は、ガラス器や陶芸のアールヌーボー器からアンティークジュエリー百数十点を展示する。
今井龍満さんは、日本を代表する抽象画家だった今井俊満さんの三男として1976年に生まれた。同ギャラリーイチ押しの作家で、アパレルブランド「シュガーマトリックス」の2014年カレンダーとして描いた作品の原画を展示。また、20日からの展示より一足早く同ギャラリーを訪れてギャラリー内で作品制作も行う。
同ギャラリーを運営するのは、埼玉県さいたま市に本部を置く株式会社福田画廊で、代表は福田雄司さん(65)。福田さんは東京の画廊に勤め、長岡支店に勤務後、1960年代初めに独立し、新潟市内に店舗を構えて福田画廊を開業した。
名立たる大家の作品を扱ってきたが、6、7年前から現代アートや海外のアートに注目するようになった。そんななか、今のギャラリーの場所を借りないかと話があった。ちょうど不特定の人を呼び込める目立つ路面店をと考えていたため、3年前に同ギャラリーをオープン。しばらくは新潟市の店舗と2カ所で営業していたが、オープンから数カ月で新潟市の店舗を閉じ、同ギャラリーだけの運営となった。
国内では、まだ権威のある作家の作品が強く、現代作家のファンは限られる。地方ではなおさらで、「最初の1、2年は笛吹けど踊らずという感じだった」と福田さん。しかし「ここ数年、確実にわたしのお勧めする作家のファンが随分、増えた」、「10年近く前にわれわれが客層に想定した人たちが育っている」と手応えを実感する。
出展する作家にも「ウチの広いスペースで作品を発表することで、自分の力量を発揮できると好評」。「作品を通して作家と客が共鳴し、友だちのような関係が成立しているのがおもしろい。そんな作品をまず楽しんでいってほしい」と福田さんは来店を待っている。問い合わせは同ギャラリー(電話:0256-46-0175)へ。