三条市名誉市民の岩田正巳画伯(1893-1988)の生誕120周年を記念して三条市は来年1月11日から19日まで「ふるさとの新春を飾る岩田正巳展」を開き、三条東公民館と歴史民俗産業資料館の2会場で岩田作品をイメージした創作和菓子を味わえる茶席など趣向を凝らした企画で市民から岩田作品を楽しんでもらう。
岩田画伯は三条市出身で松岡映丘に師事し、新興大和絵運動に参加し、日本芸術院会員となった昭和の日本画壇の重鎮。1984年(昭和59)に旧三条市で初めての名誉市民となった。
今回の展覧会では、三条市東公民館に額装作品、歴史民俗産業資料館に軸装と屏風の作品、合わせて約70点を展示する。三条市が岩田正巳展を開くのは、79年(昭和54)、88年(昭和63)に続いて3回目。過去2回は製本した上等な図録を作ったが、今回は展示作品のうち17点を収録し、1枚物で折りたたむとA4判サイズになるミニ図録にとどめる。
代わりに趣向が盛りだくさんだ。注目は市内の和菓子店、松坂屋とかつぼ屋に創作を依頼した岩田画伯の作品をイメージした菓子と一緒に抹茶を味わってもらう「和菓子とお茶を楽しむ会」だ。
前期と後期の2回に分けて、11、12日は松坂屋の「南風舞曲」と「黒い服の李さん」、18、19日はかつぼ屋の「供養の女達」と「さえずり」をそれぞれイメージした菓子を提供し、300円の茶席で菓子をひとつ味わえる。
13日は三条東公民館で万葉の会の土田かおるさんと川村直美さんによる琴の演奏を聴く「琴の音によせて〜岩田正巳とともに〜」と、岩田作品をラミネート加工してしおりを作る「自分だけの栞を作ってみよう!」を行う。
さらに18日は三条東公民館で「岩田画伯の落款印にならって、消しゴムでハンコを作ってみよう!」も行う。ただ作品を鑑賞するだけでなく、五感で楽しめる岩田ファンにはたまらないスペシャルな企画だ。
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南風舞曲 | |
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黒い服の李さん | |
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供養の女達 | |
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さえずり | |