“笛人(ふえびと)”こと燕市のフルート奏者、本宮宏美さん(29)のサードアルバム『響(ひびき)』のリリース記念ライブ「ふるさとの音=響きを届けたい」が22、23の2日間、燕市文化会館で開かれる。1年前に同会館で初めてのホールコンサートを成功させたが、もちろん1日だけの開催で、ことしはなんと2days。「昨年の自分を超えたい」と本宮さんはことしも大きなチャレンジのステージに立つ。
2日間とも午後2時開場、3時開演。今月7日にリリースしたアルバム『響』の収録曲を中心に6人編成のバックバンドで演奏するほか、22日は三条市のバイオリニスト小島健弘さん、23日は篠笛奏者の狩野泰一さんをスペシャルゲストに迎える。
小島さんはアルバム収録曲『おかえり』や『マルシェ』のレコーディングにも参加している。狩野さんは元鼓童のメンバーで、世界で演奏やワークショップを行っており、本宮さんにとっては篠笛の師匠。今回は初めての共演となり、それぞれのオリジナル曲を一緒に演奏する。
さらに初日22日は、燕市ジュニア新体操クラブも出演。9月の同クラブ発表会で本宮さんのオリジナル曲「笑顔招福」の生演奏に合わせて演技を披露したが、それを今度は本宮さんのライブで再演する。
今回のライブにあわせて初めて本宮さんの公式グッズを作った。玉川堂=燕市中央通り2=製作の鎚起銅器のぐい呑みで、限定30個を1個1万5,750円で販売する。玉川堂が“黒銀”と呼ぶ色で、側面を囲むようにフルートのキーをイメージした円形の文様が並ぶ。裏底には玉川堂と本宮さんのアイコン、さらにライブを協賛する麒麟山酒造のトリプルネームを刻む。
チケットは前売り3,000円、当日3,500円で、2日間通しチケットもあり、前売り5,000円、当日6,500円。収益金の一部は燕市に寄付して愛を奏でる基金などを設けてもらい、小中学校の楽器の購入やメンテナンスに充ててもらうことにしている。
昨年、初めてホールコンサートを成功したばかりなのに、ことしは2日間公演。「2daysと言うと、必ず“えっ?”って言われる」と本宮さんは無謀であることを承知し、笑いながらも「昨年の自分を超えたい」と決意を示す。
本宮さんは一昨年4月に音楽事務所「オトノハコ」=新潟市西区=に所属し、12月にファーストアルバム『息吹』をリリース。そして昨年の『輝』、ことしの『響』と12月になるたびにアルバムをリリースしている。
今回のアルバム『響』に込めたのは、“響”の文字を“郷(さと)”と“音(おと)”に分解して、「ふるさとの音で響き」。自身を支えてくれた大勢の人に恩返しをしたい。世界のどこにいても心のより所は必要で、そんな人たちに「ふるさとの音を届けたい」と本宮さんは願う。
前回のアルバム『輝』では、これまでフルートでは演奏しなかっようなロックやブルースの曲調にも果敢に挑戦し、激しさが際立ったが、今回は「フルート本来の良さを引き出し、自分のなかにある柔らかく優しい響き、懐かしくてほっとする響きを大事にし、原点に戻ろうという思い」と本宮さんは振り返る。
今回のテーマは、収録曲のタイトルにもある「深愛」と「至福」。自分がいちばん聞きたかった音が「深愛」。「至福」は夢がかなったときだけでなく、欠けがえのない毎日を積み重ねることが、本当に願いがかなうことと、本宮さんは曲想を話す。
「moment」は、初めてのホールコンサートを待たずに昨年10月に急逝した父を思う。「出会いと別れは、はかないもの」、「音楽も形に残らず見えないもの。ライブをし続けるのは一瞬の連続で、毎日のようにつなげていくこと」。「マルシェ」は三条マルシェやつばめるしぇ、「サンロード」は燕市・宮町商店街の愛称にちなんだ。
「スタイルは変わっても明日を生きる皆さんのことを支えたいということは変わらないし、柱は変わりません」と本宮さん。来年は映画音楽やテレビ番組の挿入歌も手掛けることが決まっており、本宮さんの挑戦は続く。
チケットの問い合わせや申し込みは本宮さんが所属するオトノハコ株式会社(電話:025-211-2213、site: http://otonohako.co.jp/)へ。ローソンチケット(Lコード:37055)でも購入できる。