三条市・法華宗総本山本成寺では、ことしも28日午前9時からすす払いを行い、1年間のほこりを払い清め、新年を待つ準備を行った。
山内住職と門前信徒の重立や世話人、合わせて約35人が作業を行い、最初に300畳余りの本堂、次に寂光殿、客殿、奥書院と進んだ。
この日は雪が降り、境内は10センチ近く雪が積もって一気に雪景色となった。朝の最低気温は−0.4度で、一昨日26日の−0.5度に続く今冬2回目の氷点下を記録。すす払いを開始した9時でも冷蔵庫より寒い0.2度だった。
門前信徒は「法華宗総本山本成寺」の藍色の半てんを着て、帽子にマスクに軍手をつけた寒さとほこり対策仕様。本堂や客殿などの畳の上を長さ1メートルほどのタケの棒を両手に持った数人が横一列に並び、中腰になってパンパンと畳をたたきながら前に進み、ほこりをたたき出した。
欄間など高い場所は、長さ2メートル近いシュロのほうきでホコリを払った。内陣は、作務衣を着て頭に白いタオルを巻いた山内住職が、化学雑巾や柄の長いはたきで中央の須弥壇(しゅみだん)や経机をていねいにふいた。
開け放った窓や扉から、ときどき雪が吹き込み、立っているだけでは数分で震えの来る寒さだが、大きな寺のほこりを真剣に払う作業は重労働で、ほうきや化学雑巾を手にする人たちも額に汗が光った。
すす払いとあわせて、さい銭箱やちょうちん、マツとユズリハの正月飾りの設置など大みそかと新年を迎える準備が行われていた。同寺では、大みそかの夜は午前0時から除夜の鐘をついて百八つの煩悩を払う。