2、3の2日間、新潟市岩室観光施設「いわむろや」(小倉壮平館長)で鉄道ジオラマの展示と運転会が開かれており、来館者の目を集めている。
Nゲージと呼ばれる150分の1のスケールの鉄道模型で約200車両を持ち込み、全周15メートルの3線エンドレス運転を行っている。ただ模型が走るだけでなく、列車が走る風景も再現しているのが楽しい。
風景は実際にある場所を再現したわけではなく、空想の世界だ。トンネルや鉄橋はもちろん、駅、ビル、ガソリンスタンド、旅館、病院から墓地や露店風呂まである。岩室と言えば夏井地区でイネを天日干しするはさ木を保存するが、ジオラマの中にもはさ木があり、農作業をしている人の姿もある。
さらに詳しく観察すると、電柱にぶつかった車の事故処理をしている警察官や高台から列車を撮影する“撮り鉄”を再現するといったギミックも。また、列車の先頭にカメラを搭載してそこから見える映像をディスプレーに映すカメラカーもあり、本物の風景と見間違うほどの臨場感を運転手の気分で味わえる。
初日2日に「いわむろや」を訪れた人は、女性でも「すごーい!」とそのスケールの大きさに目を丸くして驚いた。子どもたちは箱庭的な世界に目を輝かせ、気が付けばお父さんもいすに座ってじっと観察し、思いがけない鉄道模型との出会いに夢中だった。
鉄道ジオラマの運転会を開いているのは、高橋弘幸さん(54)=新潟市西蒲区=と長沼朝夫さん(53)=同市西区=のふたりで一昨年、発足した鉄道模型ジオラマ運転会。ふたりは10年来の付き合いで、運転会を発足する以前から年3回ほど「いわむろや」で運転かを開かせてもらっており、鉄道ジオラマとしては県内で最大規模だ。