三条市の小学6年生で全盲のシンガーソングライター、佐藤英里(ひらり)ちゃんが自主制作CD「みらい」の売り上げ100万円を「あしなが育英会」東日本大震災義援金に寄付したことなどの活動が評価され、このほど第4回青少年フィランソロピスト賞の奨励賞を受賞した。
青少年フィランソロピスト賞は、社会のために募金活動やボランティア活動に真剣に取り組んでいる青少年の活動を広く世に知らせ、全国の学校や青少年グループがお互いに情報交換できる環境を整えることで、次世代を担う青少年の寄付・募金活動を応援している。
ひらりちゃんへの贈呈理由は、東日本大震災で被災した子どもたちへの支援活動として「あしなが育英会」にチャリティコンサートのチャリティ6万円余りを寄付したことをはじめ、CDの売り上げ100万円を同会の東日本大震災義援金に寄付。これからも活動を続けていく考えであるとして、「人のために役立ちたいという純粋な思いと行動力に敬意を表し、将来の夢の実現を応援したい」と、書類選考とヒアリング選考で受賞が決まった。
寄付活動のきっかけとなったのは、東日本大震災の発生で当時予定していたコンサートが中止となり、その後、開いたチャリティーコンサートのチャリティー6万円余りを「被災地の子どもたちのために役に立つように」と「あしなが育英会」に寄付したこと。
2012年7月には、東日本大震災で被災した子どもたちを元気づけたいとの思いからひらりちゃんが作詞作曲し、「明るい未来に向かって進んでほしい」との願いを込めたシングルCD「みらい」(1,000円)を発表。発売3カ月で1,000枚を売り上げげ、その当初の売り上げそっくり100万円を「あしなが育英会」東日本大震災・津波遺児への支援に寄付した。
同賞の表彰式は、昨年12月11日に東京都千代田区・学士会館で開かれ、文部科学大臣賞の立川市立立川中学校、同じく奨励賞の山口県立華陵高等学校とともに表彰状を受け取った。
ひらりちゃんは、「表彰状をもらった時もみんながすごいね、おめでとうと言ってくれたけど、これはわたしだけでなく、CDの制作委員会の皆さんや、CDを手にとってくださった皆さんがいらっしゃったから」、「わたしが歌っているだけだったらできないこと。皆さんがいるから(寄付が)できた」。
寄付先はいろいろと考えたが、震災で大変な思いをしている子どもたちにと決めた。寄付は、震災で親をなくした子どもたちのケア施設で使われると聞き、その本部に直接、届けた。ひらりちゃんは、皆さんがいるからできた寄付と繰り返し、「それで表彰してもらえてうれしいです」と話していた。
今後もCD「みらい」の売り上げの一部は、東日本大震災で被災した子どもたちの支援にと考えている。CD「みらい」は、オフィシャルサイト内か、県内の「カメラのアート」三条店、加茂店、吉田店の3店で販売している。